
平安時代から始まった引き出物文化。
感謝の気持ちであったり、おめでとうの気持ちであったり……
いつの時代も引き出物は、お互いの絆や関係をよりよくしてくれます。
時代と共に引き出物も変化。
最近では引き出物カードや引き出物宅配というゲスト想いのサービスも生まれています。
結婚式の引き出物とは?
引き出物とは一言でいえば『お礼』です。
平安時代に馬を庭先に引き出して贈っていた経緯から引き出物と呼ばれるようになり、現在は結婚式に参列してくれたことやご祝儀に対するお礼として贈っています。
引き出物だけが自宅に持ち帰る
結婚式アイテムの中でも引き出物は特別!
なぜなら引き出物は、ゲストが であり、結婚式の余韻を楽しんでいただけるものだからです。
引き出物は、ゲストのご祝儀にあわせた贈り分けが一般的。
約8割のカップルが、上司や親戚、友人などゲストにあわせて贈り分けをしています。
現在の引き出物はゲスト目線が重要ワード
昔の引き出物といえば……
イニシャルや写真入りのグラスやお皿が当たり前でした。しかし現在は、ゲストが「嬉しい」と思える品物を選ぶのが一般的になっています。

鎌倉時代や江戸時代から残るしきたりもあるから、もう少し詳しく引き出物の歴史を紹介するよ
多様化している引き出物の贈り方
引き出物は時代と共に変化してきました。
たとえばゲストに応じて内容を変える『贈り分け』や持ち帰りが一般的だった引き出物を自宅へ郵送する『引き出物宅配』も人気です。
以下では、現代ならではの引き出物を紹介!
ゲストのことを考えたからこそ生まれたサービスばかりです。
式場渡しではなく自宅へ郵送する引き出物宅配
今までの引き出物は結婚式当日に結婚式場で渡すのが一般的でした。
正確にいえば披露宴の のが主流。手渡しだと時間がかかりすぎるからです。
しかしゲストのことを考えるとイマイチな事情も。
たとえば「持ち帰るのが大変」や「二次会会場に忘れる」「贈り分けがしにくい」など……
そこで生まれたのが
ゲストの自宅に引き出物を郵送するサービスで、多くのゲストに喜ばれています。
引き出物宅配よりも新しい引き出物カード
引き出物の定番といえばカタログギフト。
新郎新婦さまが「贈りたいものを」からゲストが「嬉しいものを」に変えたのがカタログギフトです。
実に7割の新郎新婦さまがカタログギフトを選んでいます。
最近登場したのが、カタログギフトをグレードアップした引き出物カードで、すべての引き出物をゲストが好きに選べます。
- 何が喜ばれるか分からない
- 遠方から出席するゲストが多い
- 二次会を予定している(お酒の飲み過ぎで引き出物を忘れる人がいる)
- 女性のゲストが多く参加する(ヒールで引き出物を持ち運ぶのが大変)
上記に該当する新郎新婦さまは検討してみてください。
結婚式のテーマやコンセプトにあわせて、 です。

持ち込み料を回避するための受付で渡したり、ゲストテーブルにセッティングする新郎新婦さまもいるよ
引き出物の内容を実例で紹介!



一般的な引き出物は上記の3つで構成されます。
披露宴のお見送りで渡すプチギフトは引き出物ではないため、相場もプチギフトを除いて計算しましょう。
上記に加えて、縁起物の代わりに実用性を重視したプラスワンアイテム、松の葉(新潟)や細工かまぼこ(富山)、おいり(香川)など慣習のある地域も。両家両親やプランナーさんに聞いた上で、準備すると確実です。

以下では、それぞれの引き出物の金額や人気アイテムを紹介するよ
記念品とは?
引き出物の中でもメインの商品です。
メインというだけあって、 。安くても3千円程度、主賓クラスになると1万円のアイテムを用意する地域もあります。

記念品(メインの引き出物)
- 相場:
- 3,000円~10,000円
- 定番商品:
- カタログギフト、食器、タオル
カタログギフトの他にはタオルや食器、最近ではコスメも。
引き菓子と縁起物は全ゲスト共通にして、記念品で相場を調整するカップルが多いです。
引き菓子とは?
記念品は、結婚式に出席したゲストに贈ります。
一方の引き菓子は、 です。
出席したゲストが、家族へのお土産として渡します。
そのため家族全員で食べられる内容量のお菓子を選ぶことが大切です。

引き菓子
- 相場:
- 1,000円~1,500円
- 定番商品:
- バームクーヘン
デニッシュやフィナンシェ、和菓子などジャンルは豊富。
百貨店のデパ地下スイーツは、センスのよさを感じていただけます。最近は一度に食べきる必要のない個包装タイプが人気!
縁起物とは?
幸せを分け合う意味から生まれたもの。
また引き出物が豪華にみえたり、価格調整で用意する新郎新婦さまもおります。
縁起物は、名前のとおり
かつお節や梅干し、昆布などが定番でしたが、最近は実用性を重視して、プラスワンアイテムを選ぶ人も増えています。

縁起物
- 相場:
- 1,000円~1,500円
- 定番商品:
- かつお節や昆布、梅干し、お茶漬けなど
縁起物といっても実用的なアイテムが増えています。
調味料とのセットや個包装の梅干し、引き出物全体に豪華さがほしいなら真空パックの鯛や赤飯がオススメです。
プラスワンアイテムとは?
引き出物に+1品するアイテムのこと。
引き出物が豪華にみえたり、組み合わせ次第でおしゃれになります。
プラスワンアイテムは
ゲストに「喜んでほしい」という思いから、縁起物の代わりにプラスワンアイテムを引き出物にすることもあります。

プラスワンアイテム
- 相場:
- 1,000円~1,500円
- 定番商品:
- タオル、グラスなど
記念品とセットで考えるのが◎
記念品と同じブランドにしたり、グルメカタログギフトならグラスを選んだりと、組み合わせを考えると豪華な引き出物になります。
プチギフトとは?
プチギフトは引き出物ではありません。
いわゆるお見送り品であり、引き出物とは意味合いが異なります。
コロナの影響で贈らない人もいるので、プランナーさんに相談してみてください。

プチギフト
- 相場:
- 200円~500円
- 定番商品:
- ドラジェ、飴など
プチギフトは数百円程度でOK。
定番のドラジェやクッキーなどお菓子が定番。秋冬であれば入浴剤は嬉しいアイテムのひとつです。
引き出物の購入前に知っておきたい基本マナー
続いては引き出物のマナーを紹介します。
購入前に知っておくと はずです。
引き出物を用意する相手は?
基準は招待状
ひとつの招待状に、ひとつの引き出物を用意します。
ゲストが用意するご祝儀も、ひとつの招待状にひとつ用意するのが一般的です。
注意点は1世帯に、ひとつではないこと!
とくに親族関係は既婚・未婚によっても異なるため関連記事も参考にしてみてください。
引き出物の平均は6,260円
ご祝儀が高い傾向のある上司や親族は、友人や同僚より高めの引き出物を用意するカップルが多くいます。
ただ、あくまで平均額です!
実は都道府県により相場は大きく変わるため注意しましょう。なんと最大で6,700円も値段が違う地域も……
品数の平均は2.9品
金額と同じく品数も地域で異なります。
全国平均は2.9品ですが、5品の地域もあれば、3品の地域もあります。
「偶数は縁起が悪いから奇数がいい」
こんな風にいわれていますが、実際には2品だけの結婚式もあるため、お住いの都道府県の相場を把握することが重要です。
タブーといわれている引き出物もある
引き出物にはタブーといわれる商品もあります。
とはいえ相手によっても異なるので、両家両親に相談して判断してみてください。
NGアイテム | 理由 |
---|---|
刃物 | 包丁やハサミなどの刃物は縁が切れるを連想させるため。ただ引き出物に包丁やハサミを選ぼうと思う人が、そもそも非常に少ないはずです。 |
生鮮食品 | 賞味期限の関係でNGです。引き菓子も賞味期限は10日ぐらいはあった方が安心できます。 |
名入れ商品 | 昔は多かった新郎新婦さまの名入れアイテム。名前や顔写真、結婚式の日付入の引き出物は嫌がるゲストは多く、贈る人はほとんどいなくなっています。 |
商品券 | 金額が丸わかりのため商品券はNG。引き出物だけでなくギフト全般でNGといわれています。 |
弔事で贈ることの多いお茶にも注意を!
パッケージが弔事用ではない華やかなアイテムを選ぶのがオススメ。また手作りも控えたほうが無難です。
地域による風習やしきたり
引き出物には風習やしきたりのある地域もあります。
また引き出物の金額や品数も地域によって差があるため、全国平均は参考になりません。
たとえば北陸地方は非常に高額。
一方で会費制結婚式の多い北海道は記念品がなく、引き菓子のみというケースが多いです。
地域によっては鯛かまぼこや名披露目、おいりなど独特のアイテムを贈る風習があります。
引き出物の由来や歴史
昔の引き出物は
引き出物の由来は、馬を贈っていた平安時代に「馬を庭先に引き出していた」ことから、引き出物と呼ぶようになったそうです。
時代で変わり続ける引き出物
平安時代 | 馬を庭に引き出して贈っていたことから『引き出物』と呼ぶようになったそうです。 |
鎌倉時代 | 馬の代わりに武具や昆布など海産物(当時は高価)を贈っていた。昆布は今も縁起物として贈る人もいます。 |
江戸時代 | かつお節や高級魚である鯛を贈っていた。かつお節は現在も縁起物として利用、衛生面から焼いた鯛は贈りませんが、真空パックの商品があります。 |
1980年代 | 現在も圧倒的な人気のカタログギフトが誕生。当初は「失礼」といわれていましたが、メリットが理解されて多くの新郎新婦さまが利用しています。 |
2000年代 | 挙式日当日に持ち帰る引き出物を自宅に郵送する『引き出物宅配』が登場。ゲスト満足度が高く、多くの新郎新婦さまが利用しています。 |
現在 | すべての引き出物がカードになった『引き出物カード』がうまれました。新郎新婦さまにも、ゲストにも利便性が高く、ますます進化しています。 |
法事・法要でも引き出物と呼びます
法事や法要でも引き出物と呼びます。
いわゆる香典返しのことで、法事・法要の引き出物でもカタログギフトやタオル、お菓子など です。
ただし結婚式と法事・法要ではパッケージが異なります。
結婚式の引き出物は華やかさがあり、法事・法要の引き出物は落ち着いた印象の商品が多い傾向です。
外部ショップなら引き出物専門店で購入すれば間違いはありません。
似ているようで全く違う結婚内祝い
引き出物と似ているのが結婚内祝いです。
結婚内祝いは『結婚祝いのお返し』とほぼ同じ意味だと捉えて大きな間違いはありません。
引き出物 ![]() |
結婚内祝い ![]() |
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贈る相手 | |
列席者 結婚式に列席してくださった方に贈る |
結婚祝い 結婚式に招待していない人や欠席した人からお祝いをいただいたら贈る |
贈るタイミング | |
当日 基本は結婚式当日で、引き出物宅配なら1週間以内が目安 |
1ヶ月以内 結婚祝いをいただいてから遅くても1ヶ月、理想は2~3週間後 |
金額 | |
地域で異なる 基本はご祝儀額に対して5分1~3分1程度。お料理もあるため内祝いより安くなります。 |
半返しor3分の1 基本はお祝いの半返しですが、高額かつ目上の人には3分1でいいとされています。 |
のし | |
寿 のしは「寿」を使用します。記念品だけでも構いません。 |
内祝 内祝の他に「結婚内祝」でも構いません。 |
品数 | |
2品以上 会費制でなければ最低2品以上。5品や7品の地域もあります。 |
1品でOK 1品で構いませんが、2品がNGなわけではありません。 |
1分で振り返り
この記事のまとめ
引き出物を探す人はゲスト属性にあわせて選ぶのがポイント!
値引きサイトを利用すれば、同じ予算でランクアップできるため、ゲストにも喜んでいただけます。