引き出物の品数は中身よりも先に決めなければなりません。
なぜなら品物が決まった後に追加すると予算オーバーになり中身を変更しなければならないからです。
しかし、多くの新郎新婦が品数で悩みます。
「引き出物の品数って奇数じゃないとダメなの?」
「引き出物ってゲストお一人に対して何品用意するの?」
引き出物を検討する際に凄く多い質問です。
悩ます原因は人やサイトによって、推奨する品数が違うからではないでしょうか?
- プランナーからは最近は5品が主流だから3品だと少なすぎると言われた。
- 両親からは4品がマナーだと言われた。
- ネットで調べたら3品でいいと書いてあった。
調べれば調べるほど悩んでしまいます。
このページでは引き出物の品数を決めるためのヒントをご紹介いたします。
引き出物の品数にルールはない
先に結論から言うと引き出物の品数にルールや決まりはありません。
その理由は結婚式の歴史や風習を知れば明らかです。
昔の非常識も今では常識
まずは簡単に結婚式の歴史から。
諸説ありますが、日本の結婚式は、江戸時代初期頃から始まったと言われています。
以来、現代に至るまでに様々な地方の風習を取り込みながら変化を続けてきました。
例えば、中部(一部エリア)。
この地域は持ち帰りきれないほどの品数の引き出物を準備する風習がありました。
持ち帰れない量と聞くと5品ぐらいを想像しますよね?
何と持ち帰り用のキャリーバッグごと引き出物にしていたそうです。
しかし、今では数点の引き出物が主流になっています。
他の地域も同じようなことがあります。
昔は多かった品数も今では他の地域と変わらなくなっていたりします。
業界が売上増を目的に作ったルール
続いて業界の裏話を…
40年ほど前からブライダル産業が盛んになりはじめました。
いわゆる婚礼ビジネスですね。
あなたが聞いたマナーの中にはブライダル業界が意図的に流行させている風習も交じっている可能性が高いです。
「引き出物の品数は偶数では縁起が悪い。奇数でお贈りするのがマナーです。」
どこかで聞いたことはありませんか?
プランナーに言われた方も多いのではないでしょうか?
『引き出物は奇数がマナー』という風習はブライダル産業の意図が多分に含まれていると思われます。
2品よりも3品、4品よりも5品とより多くの引き出物を買ってもらいたいという思惑です。
たくさん買って貰えば、それだけ売上も利益も増えるわけです(笑)
それを「偶数は割り切れるから縁起が悪い」と説明をするわけです。
はっきり言いましょう。
引き出物の品数に対して守らなければいけない厳密なルールや風習などは存在しません。
定着してしまった引き出物の3品セット
ルールがないからこそ品数に悩むと言ってもいいかもしれません。
最も無難な組み合わせは「メインの引き出物、引菓子、お見送り用のプチギフト」です。
なぜなら上記の3点を引き出物にする人が多いからです。
言ってしまえば業界の意図が定着してしまったといえます。
この3点が無い場合には、ゲストに対してマイナスの印象を与える可能性があります。
他の結婚式と比較して「ケチっている」や「常識はずれ」などと言ったことを言うわけですね。
最低限の3点(引き出物・引き菓子・プチギフト)を用意しておくと安心です。
ただし、引き出物は地域によってマナーとされる品数があります。
では、どうやって品数を決めればいいか?
答えは「地域」と「贈る相手」で決めましょう!
以下に品数を決定する基準を紹介していきます。
エリア別で分かる引き出物の品数
引き出物の品数はエリアによって違いがあります。
例えば、東京都の披露宴。
引き出物と引菓子だけの2品が多くなってきています。
東京なら3品でゲストは「今回は多いな!」というプラスの印象を受けるかもしれません。
少なくても「数が少ない」という印象を受ける人はほとんどいません。
逆に石川県では同じ3品でも「少ない」というマイナス印象を与えます。
このように地域によって感じ方は異なります。
その理由は地域ごとに相場の品数があるからです。
以下は、都道府県別に品数の平均値をまとめた表です。
尚、エリアのとらえ方は以下の3通りがあります。
- 新郎新婦の出身地
- 式場の場所
- ゲストの出身地
どこにスポットを当ててエリアを決めるかの検討が必要になります。
出身地ごとや年輩の方でマナーに口うるさい人(笑)は、贈り分けをするというのも良いかもしれませんね。
■一人あたりのギフトの合計品目数の平均値
- 北陸と新潟は品数が多い(最多は福井県の4.8個)
- 九州・東北・北海道は品数が少ない(最小は北海道の1.4個)
- その他のエリアは3品前後に集中している
- 各エリアの切り上げの数が無難な品数となる
全国平均 | 2.9品 |
北海道 | 1.4品 |
青森 | 1.7品 |
秋田 | 2.7品 |
岩手 | 2.8品 |
新潟 | 3.8品 |
宮城 | 2.8品 |
山形 | 2.8品 |
福島 | 3.1品 |
長野 | 3.0品 |
山梨 | 3.0品 |
茨城 | 3.0品 |
栃木 | 3.0品 |
群馬 | 3.1品 |
埼玉 | 2.9品 |
千葉 | 2.9品 |
東京 | 2.9品 |
神奈川 | 2.8品 |
静岡 | 3.2品 |
愛知 | 3.2品 |
岐阜 | 3.4品 |
三重 | 3.3品 |
富山 | 4.4品 |
石川 | 4.1品 |
福井 | 4.8品 |
大阪 | 2.9品 |
兵庫 | 2.9品 |
京都 | 2.9品 |
奈良 | 2.9品 |
滋賀 | 2.7品 |
和歌山 | 3.0品 |
広島 | 3.1品 |
岡山 | 3.0品 |
山口 | 3.1品 |
鳥取 | 3.1品 |
島根 | 3.1品 |
愛媛 | 3.2品 |
香川 | 3.9品 |
徳島 | 3.7品 |
高知 | 2.4品 |
福岡 | 2.5品 |
佐賀 | 2.5品 |
長崎 | 2.4品 |
大分 | 2.5品 |
宮崎 | 2.5品 |
鹿児島 | 2.3品 |
贈り先(ゲスト)から見た品数
数年前までは列席者全員に同じ引き出物を準備していました。
ご祝儀金額の差は”品数で分ける”ことが主流でした。
(品数で分けた例)
親族 | 引き出物、引き菓子、縁起物、名披露目、プチギフト |
友人 | 引き出物、引き菓子、プチギフト |
つまり贈り別けの1つの方法として品数という考え方があった訳です。
しかし、最近はゲストの事情に応じてメインの引き出物を変えるのが主流です。
- 年齢
- 性別
- 既婚・未婚
- 新郎の友人・新婦の友人
- 上司・同僚
- 親族
など贈り分けの分け方は様々です。
風習の変化によりゲストからすると品数はさほど重要ではありません。
では、実際にゲストが引き出物の品数に対して、どのような印象を受けるかをご紹介いたします。
友人や同僚
年齢の若い友人や同僚は風習やしきたりには鈍感です。
その代わりに自分が出席した結婚式やインターネットの情報との比較には敏感です。
また、自分のスタイルや好きなアイテムにこだわりがある年齢層でもあります。
風習からくる品数よりも印象やイメージが大切です。
「他の結婚式ではもらったことがない!」
「自分の好きな商品(ブランド)だった」
こういった引き出物が準備できれば満足度は高くなるでしょう。
上司
上司や会社の重役には”常識”や”礼儀”という観点が必ず必要です。
特に社長や役員などの役職者は過去にも部下の結婚式に招待されている可能性が高いでしょう。
すると他の結婚式と比較をします。
自分がどのような招待のされ方をしたかを否応なしに比較するわけですね。
また、ご祝儀も友人や同僚とは異なり多い金額を支払います。
列席いただいたこととご祝儀に対するお礼や感謝の気持ちを引き出物に込めなければなりません。
上司や重役といったゲストの場合、相場の品数より1品から2品多めに準備をしましょう。
もらったゲストが通常の引き出物との違いを感じられるようにしておくことが大切です。
親族
親族は、会社の上司同様にご祝儀をはずむゲストです。
しかし、形式体に多く支払う会社の上司とは異なり、身内の結婚というお祝いに対して文字通りご祝儀を準備されます。
だからと言って、適当に準備して良いわけでは無いのですが…
それでも会社の上司ほど形式にとらわれずに新郎・新婦の気持ちを引き出物にすることが重要です。
ただ、長く会っていない遠い親戚のような場合には、会社上司と同様の観点で品数を決める必要があります。
ご夫婦(家族)ゲスト
引き出物選びで最も難しいのがご夫婦やご家族の招待ゲストです。
引き出物の品数も悩みますが…
「そもそも何人分用意すればいいの?」といった質問は凄く多く頂きます。
ここでは具体例を元に考えてみましょう。
仮にご夫婦2名(友人)を招待すると、ご祝儀の相場は5万or7万円です。(ご夫婦の場合、ご祝儀は一本となります)
一般的に友人の場合、ご祝儀の相場は1人3万円ですよね?
夫婦2人に対して引き出物を2セット渡す場合、ご祝儀が5万円なら多すぎます。
反対に2セットを渡すとご祝儀が7万円なら足りない計算になります。
品数で悩んでいるのに、更に悩みの種が増えますね(笑)
でも、便利なアイテムがあります。
それは「プラスワンアイテム」と呼ばれる引き出物です。
夫婦などの引き出物1セットでは補えない部分をプラスワンアイテムという品数で補うわけです。
しかし、5万円なのか7万円なのかは当日までわかりません。
もし想定していたご祝儀に対して準備した引き出物があまりにも下回る場合は、後日内祝いとして改めて贈りなおしましょう。
乾杯挨拶/主賓挨拶/司会
- 披露宴中の乾杯挨拶
- 主賓の挨拶
- 司会(友人に依頼)
など式中の挨拶や司会をお願いしたときは、引き出物の品数を増やしたいと思うのではないでしょうか?
披露宴中になにかをお願いしたゲストに対して、お礼の気持ちを引き出物に込めることは大切です。
ここで注意したいことがあります。
それはゲストは自分の引き出物を他の人と比べません。
つまり品数を多くしても受け取った方は気付かないのです。
せっかく品数を増やしても「豪華だな」ぐらいにしか思いません。
挨拶や司会のお礼として準備したプラスワンアイテムも気づいてもらえなければ意味がありません。
挨拶や司会をしてくださった方に感謝の気持ちを伝えるには何をすればいいでしょうか?
おすすめは結婚式後にお礼のメッセージと共に別の商品を郵送で送ることです。
この方法は、贈る商品の金額とは関係なく”格別”のお礼の気持ちを伝えることができます。
遠方からのゲスト
遠方からのゲストは荷物にならないことが大切です。
そのため品数が増えても重量が軽く荷物にならないといった気遣いが必要です。
しかし、遠方からのゲストで親戚だったらどうでしょうか?
ご祝儀も高額ですから、引き出物の品数も多くなりがちです。
翌日は観光をするという方も多いので、荷物になるのは避けたいところ。
遠方から出席するゲストは、引き出物を宅急便で送るという人も珍しくありません。
また、ホテルに忘れるという人もいます。
そのため最近は『引き出物宅配』というサービスが流行りつつあります。
これは引き出物を結婚式場で渡すのではなく、ゲストの自宅に直送するサービスです。
- 遠方ゲストで品数が増える
- 品数が多く荷物になる
というような場合には引き出物宅配を利用すると喜ばれます。
宅配ときくとマナー違反と思う方もいるかもしれません。
しかし、持ち帰りが大変だから送ったと言えば逆に心遣いが伝わります。
引き出物の品数のまとめ
- 引き出物の品数には厳密なルールや風習はない
- 品数を意識するなら地域の相場を参考にする
- 風習や常識よりもゲスト目線で、どのような引き出物が喜んでもらえるかが大事
- どういったセットにしたら新郎・新婦の感謝の気持ちが伝わるかを考える
上記を意識すると喜ばれる引き出物がみつかるはずです。