さまざまな大きさのダイヤモンド

婚約指輪を選ぶとき、気になるのは中央で輝くダイヤモンド。
ダイヤモンドの評価指標として『4C(カラット・カット・カラー・クラリティ)』があり、重さを表すのが『カラット(Carat)』です。

先輩カップルが選んだ大きさを紹介し、さらに予算や指の太さ、普段使いの有無によって、どんな大きさを選べばいいか判断基準になるよう説明します。

カラットはダイヤの大きさではない!

カラット(ct)とは、国際的に広く使われている宝石の重さを表す単位のこと。

1ct=0.2gです。
『カラット=大きさ』と勘違いをする人もいますが、カラットは重さの単位なため、同じカラットでもダイヤモンドによって直径は少々異なります

一粒のダイヤモンド

ただし婚約指輪のダイヤモンドは、普段使いのジュエリーよりもカットがいいダイヤを使用するため「深さがありすぎて、カラット数の割には石が小さい」ということは滅多にありません。

つまりカラット数である程度、正確にダイヤの直径を判断できるというわけです。

以下は、シェイプ(ダイアモンドを正面から見たときの形)がラウンド・ブリリアントカット(※)の場合の直径です。

標準的なダイヤモンドの直径
0.2ct 3.81mm
0.3ct 4.36mm
0.4ct 4.80mm
0.5ct 5.17mm
0.6ct 5.50mm
0.7ct 5.78mm
0.8ct 6.05mm
0.9ct 6.29mm
1.0ct 6.50mm

※ラウンドブリリアントカットとはダイヤモンドで最も多く採用される丸型にカットした形です

ちなみに日本では0.1ct以下のダイヤモンドをメレダイヤモンドと呼んでいます。

カラットはどれぐらいを選べばいい?カラットによる違いをチェック!

婚約指輪のダイヤモンドは、どのくらいの大きさを選べばいいのでしょうか?

先輩カップルを参考にしつつ、あなたにぴったりのカラット数を選ぶ方法を説明します。

先輩カップルが選んだカラット

まずは先輩カップルのアンケート結果を紹介します。

カラット(ct) ~0.2ct 0.21~0.3ct 0.31~0.4ct 0.41~0.5ct 0.51~0.6ct 0.61~0.7ct 0.71~0.8ct 0.81~0.9ct 0.91~1.0ct 1.1ct以上 わからない
割合 17.8% 24.8% 13.6% 8.9% 3.1% 1.2% 0.8% 0.4% 0.4% 0.8% 28.3%

※横にスクロールできます

カラットを知らない人が約28%もいますね。
知らない理由は「男性が一人で婚約指輪を選び教えてくれない」や「カラットは重要じゃないから忘れた」という声がありました。

ボリュームゾーンは0.2ct~0.3ctで約25%
0.4ctまでが約56%と過半数を占めており、0.5ct以上になると「大きいダイヤだな」という印象を持つ方がほとんどです。

以下では、ご自身やパートナーの生活スタイルに、ぴったりのダイヤモンドリングが手に入るよう説明するよ。

普段使いにオススメ!0.3ct前後のダイヤの魅力

アンケート結果でも分かるとおり、婚約指輪のダイヤでよく選ばれているのは0.2ct~0.4ctです。

0.3ctの婚約指輪

「0.2ct台だと、ちょっと小さいかな?」

このように思う女性もいると思います。
ただ、平均的なプロポーション(カットの総合評価)のダイヤで、0.2ctと0.3ctの直径の差は0.55mmしかありません。

0.55mmってどれぐらい?

クレジットカードの厚さが0.7~0.8mmぐらい。並べて比べれば違いは分かるものの、別々にみても分からない人がほとんどです。

見慣れていないと気付けないかもね

大きさの見え方は、リングのデザインによっても変わります
もし0.2ct台のダイヤが小さいと感じたら、以下の二つが原因の可能性があるかもしれません。

  • 販売側のセールストーク
  • カラットという数字に対する先入観

ダイヤモンドが小さいから悪い、大きいから良いわけではありません。
小ぶりなダイヤにも、大きめのダイヤにも、それぞれ良い点があるため、あえて小さいダイヤモンドを選ぶ女性もいます。

0.3ct以下のダイヤがオススメ人
  • 婚約指輪を普段遣いで愛用したい
  • カラーやクラリティを重視したい
  • 婚約指輪の金額は抑えて、新生活や新婚旅行の想い出など他のことにお金を使いたい

もしもダイヤモンドの大きさに物足りなくなったら

「今は良くても、年齢を重ねると物足りなくなりますよ。」

0.3ct以下のダイヤモンドを選ぼうとすると、よくあるのがこのセールストークです。

確かに女性は指が太くなる方もいますが、0.3ct前後のダイヤモンドは、若い時にはちょうどよいサイズ感です。

シャンパングラスをもつ女性の手

ちょっとお高めのレストランや友人の結婚式、子供の行事など、いやらしくない美しさがあります。お堅めの職場でも小ぶりなサイズなら問題ないはずです。

一方で、太くなった指には、少々物足りなさを感じることも。
ただ、よそいきの場面に物足りなくなったなら、普段使いに変更する使い方もあります。

素敵な婚約指輪との付き合い方

わたしが親しくさせていただいている方で、いつお会いしても常に婚約指輪をしている方がいます。
小ぶりのダイヤが付いた、定番的なデザインで「いつも肌身離さずつけていたい」から、あえてカラットの小さい婚約指輪にしたのだろうと思います。

存在感抜群!大粒ダイヤモンドの魅力

大きいダイヤモンドは存在感が抜群です。
とくに0.7ct以上になると存在感があるため誰がみても「大きいダイヤモンド」というのが分かるはず!

大きいダイヤモンドの婚約指輪

ただし、存在感はありますが、普段使いには不向きかも。
洋服に引っかかったり、ドアにぶつけたり……とくに婚約指輪で人気の立爪タイプは注意が必要です。またカジュアルコーデには少し浮くかもしれません。

大きめのダイヤがオススメ人
  • 指が太目で、大き目のダイヤの方がバランスのよい方
  • 経営者または経営者の奥様で会食やパーティーが多い方
  • 落ち着いた年代の女性
  • 年齢を重ねても特別なシーンで使い続けたい方

このような方は、大きめのダイヤを選ぶと満足感も高いはず。
また立場上の問題から、大きめのダイヤを選ぶ人も。過去のお客様でいえば経営者の女性が印象的でした。

1ct以上を希望した経営者の話

わたしがオーダーメイドの婚約指輪を承ったお客様で「最低でも1ct以上のダイヤを探してほしい」という方がいらっしゃいました。話を聞くと、会社を経営されていてパーティーが多く、身に着けている婚約指輪が普通だと、体面が保てないとのこと。自分の好みだけで自由に装いを決められない立場の方もおります。経営者という立場であれば、周囲の人に合わせて、同じくらいのダイヤを選ぶのもいいかもしれません。

ダイヤが大きくみえるリングデザイン

ダイヤモンドが大きくみえるデザインは三種類あります。

ヘイローリング(取り巻き)
ヘイローリングの婚約指輪

ダイヤの回りをぐるりとメレダイヤが囲んでいるデザイン。メレダイヤがセンターのダイヤモンドを引き立てるため、より大きく輝いてみえます。

リング幅の視覚効果
ダイヤの接続部分だけが細いリング

ダイヤに接する部分のリング幅だけキュッと細くなっているデザインは、視覚効果でダイヤが目立ちます。

スリーストーン
スリーストーンの婚約指輪

ダイヤの横に大粒のメレダイヤを配置したスリーストーンタイプは、中央のダイヤとメレが一体化するため大きくみえます。さらにメレダイヤとリングが接するところが、軽く絞ってあると、なお大きくみえます。

ダイヤモンドの大きさとリングの太さの関係

一般的な婚約指輪の太さ(リング幅)は2.5mm~3mm程度。
指の太さ・長さ・質感で似合う幅も変わってきますが、ダイヤの大きさとリングの太さの組み合わせで、印象は変わります。

バランスのいい婚約指輪

ダイヤ小・リング細

繊細で可憐な組み合わせです。
デザインによっては、普段使いのジュエリーに見えてしまう可能性もあります。

ぽっちゃりした指の人は、さけた方がいいと思います。

ダイヤ大・リング細

華奢で、女性らしさが際立ちます
ティファニーセッティングのエンゲージメントリングが代表的です。

細いリングがダイヤモンドの大きさと輝きを際立たせます。
ダイヤが非常に目立つデザインのため、指の節が張っていて、指輪が回る方は、ずれたのが分かりやすくなります。

ダイヤ小・リング太

普段から身に着けやすい組み合わせ。
リングが地金のみだと、若々しくカジュアルにみえます。

リングにメレダイヤがあしらわれたものは、ずれたのが目立たないので、指の節が張っている方にオススメです。

ダイヤ大・リング太

豪華で上質なイメージです。
代表的なブランドは、ブルガリのコロナで人気があります。

華奢な指だと、リングだけが目立ってしまうためオススメしません。

ダイヤモンドの金額は、カラットの大きさだけでなく、実は店舗によっても相場は大きく違うんだ。続いては、カラットによる金額の違いを説明するよ。

カラットによる金額の違い

一般的にカラット数が大きくなれば大粒になり、それに比例してダイヤモンドの評価も高くなります

婚約指輪の平均額

平均額は28.9万円(※)です。
この平均額は、枠やダイヤモンドをあわせた総額であり、概ね30万円前後と思っておくといいと思います。

※詳細は「入籍済の女性258名【婚約指輪】の実態調査」をご参照ください

カラットによる大まかな金額の目安

ジュエリーは、お店によって金額が大きく変わります
またメレダイヤのありなし、地金の重さによっても金額は前後します。

以下は、予算やお店選びの目安として活用してみてください。

カラット 有名ジュエリーショップ 卸売りもしているジュエリーショップ
0.2ct台 30万円前後 10万円前後
0.3ct台 40万円前後 20万円前後
0.4ct台 50万円前後 25万円前後
0.5ct台 60万円前後 30万円前後
0.6~0.7ct台 80万円前後 40万円前後

上記はあくまで傾向ですが、同じカラットでも1.5~2倍ぐらいの差があります。

婚約指輪の評価に欠かせない二つの視点

婚約指輪について調べ始めると、雑誌やインターネットサイトの表記があいまいな店舗が多いことに気付くと思います。

メレダイヤのついた婚約指輪

「金額やカラットが曖昧で、よくわからない…」

コスメやグルメの通販サイトなら、商品ページに仕様や金額を明記しますよね。
しかし結婚情報誌などを見ると[0.2ct~・◯万円~]とあいまいな表記も少なくありませんし、カラットや金額が一切書いていない会社も多いです。

さらに同じような定番的なデザインで、同じくらいのカラット数にも関わらず、販売会社によって値段がまったく違うこともあります。

では婚約指輪のダイヤモンドは、どうやって判断すれがいいのでしょうか?

ポイントは『第三者機関の評価』『つけ心地』のふたつです!

ダイヤモンドは第三者機関の評価を参考に!

ダイヤモンド選びのポイントは第三者機関、つまり鑑定書の評価機関です。

ダイヤモンドグレーディングレポート正式名称はグレーディングレポート

ショップは、高品質・安心感・信頼感・流通コストの効率化による手頃さをアピールしていますが……

唯一、客観的に判断できるのはダイヤモンドの評価だけ!
一般的に婚約指輪のダイヤモンドには鑑定書が付きますが、鑑定書なしのダイヤモンドは信頼できません。

鑑定機関にもレベルがあって、GIA(米国宝石学会)とCGL(中央宝石研究所)、AGT(AGTジェムラボラトリー)が有名だよ。

第三者のプロが数字で評価をしているため、ダイヤモンドの知識がなくても優劣がわかります
どれだけ販売店が言葉を並べても、同じようなグレードなのに値段がかなり安いなら、それは企業努力の賜物です。ぜひ第三者機関の鑑定書もチェックしてみてください。

メレダイヤの鑑定書

一般的にメレダイヤには鑑定書がないため輝きをよく確認してから購入しましょう。しっかりしているジュエリーショップなら「メレダイヤは〇クラス(クラリティー)、〇カラー相当のものを使用しています」と説明できるものです。

枠は付け心地で判断をする

ダイヤモンドに対して、枠はピンキリです。
専門家以外はわからないような工程を省略することで、低価格を実現している場合もあります。

婚約指輪をみつめる若い女性

ただしつけ心地に影響します。
リーズナブルなお店では、とくに念入りな試着をして、価値を判断してみてください。もちろん即決もNGです。

1分で振り返り
この記事のまとめ

アンシェくん
  • カラット(ct)はダイヤモンドの重さを表す単位で1ctは0.2g
  • 先輩カップルは0.2ct~0.3ctを選ぶ人が多い
  • 0.2ct~0.4ctは若い女性に似合う
  • 0.7ct以上になると誰の目からみても大きいと感じるが、立爪は普段使いには不向き
  • ダイヤの大きさはカラットだけでなくデザインによっても見え方は違う
  • ダイヤモンドの金額はカラットだけでなく店舗によっても金額が3倍以上違う店舗もある
  • 婚約指輪の評価基準はダイヤの鑑定書とつけ心地で判定する

どんなに人気のある芸能人にもアンチがいるように、どうしてもケチをつけたい人がいるものです。

小さなダイヤモンドの婚約指輪だと「小さいダイヤね」、大きいダイヤモンドなら「成金趣味!」や「若いくせに、分不相応!」など。

このような”いやらしい”ことを言う人に惑わされないように!
婚約指輪は、セールストークや周囲の目を気にせずに、ご自身やパートナーの判断を尊重することが大事です。二人で話し合うことも重要な婚約指輪選びの通過点になると思います。