
引き出物の縁起物といえば何を思い浮かべますか?
鰹節、うどん、赤飯、鯛…
あまりメジャーではありませんが”昆布”も結婚式の縁起物として贈るアイテムです。
和食には欠かせない昆布。
歴史を紐解いていくと縁起物として昆布の凄さが分かります。今回は縁起物としての昆布を紹介いたします。
結婚式の縁起物にぴったり!昆布の魅力とは?

なぜ縁起物に昆布が使われているのでしょうか?
その理由は、昆布には結婚式にぴったりの縁起の良さがあるからです。
昆布=広布(ひろめ)
縁起物アイテムは語呂合わせの呼び名に縁起の良さや縁起を担ぐ意味合いが含まれます。
例えば、
- 鯛(たい)=めでたい
- かつお節=堅魚節(夫婦やゲストとの絆を固める)
が代表的な例です。
では、昆布にはどんな語呂合わせがあるのでしょうか?
『こんぶ』と平仮名にするとピンとくる方も…
正解は『昆布⇒よろ昆布⇒よろこぶ』です。
この語呂合わせは近年の考え方で、昆布は『広布(ひろめ)』と呼ばれていました。昆布の形を表した呼び名ですね!

古くから日本の結婚式は、両家の結びつきを広めることが一般的で、今も”披露宴”という形で残っています。
政略結婚が当たり前だった時代。
祝いの宴というより、◯◯家と◯◯家が結婚により、強い同盟を結んだと内外に広める意味合いが強かったのかもしれません。
「ご両家の結びつきが、より広まるように」
と願いを込めて『広布(ひろめ)』である昆布を縁起物にしていたわけです。
戦国時代から続く縁起物の昆布

戦にも縁起物は良く使われていたそうです。
戦国時代には、アワビ・栗・昆布の3つの食材が縁起物とされ、出陣式では頻繁に食べていたそう。この3つの食材はお節料理の定番食材ですよね。

アワビや栗は高級食材。
対する昆布は庶民にも手が届く食材であるため、足軽など兵隊たちも縁起物として食べていたそう。一般階級の兵士が戦に行くときに、妻たちが無事に帰還することを願って昆布を食べていたのでしょう。
文字通り命がけの”戦”にいく夫たち。
夫の無事を祈り、武運を祈る妻たちの切なる願いが込められていたと思うと、昆布が真の縁起物である所以を感じます。
語呂や意味合いだけじゃない昆布の魅力
「ただの語呂合わせかよ!」そう思ったあなた。
昆布の奥深さは語呂合わせだけではありません。
縁起物には、語呂合わせだけの意味合いだけでなく、食材の栄養価や効能の高さから贈り物に良いとされる食べ物があり、昆布もその一つです。
戦時中にも大活躍

戦に行く夫に昆布を持たせるのは縁起を担ぐだけではありません。
昆布は、煮込んだり、干すことで日持ちする食材になり、お米のように食べる際に手間がかからず、長期の戦中でも食べられるという優れもの。
しかも、腹持ちも良く栄養価も高いため戦の非常食として大活躍していました。また、戦時でない平時にも城に大量の昆布を備蓄している戦国武将も多くいたそうです。
栄養価も高い食材

戦国時代は、現代のように栄養価という考え方は発達しておりませんでした。しかし、近年は昆布の栄養価の高さが科学的に立証されています。
- 海の恵みであるミネラルが豊富
昆布に含まれるミネラルは、なんと牛乳の約23倍。鉄分にいたっては牛乳の約39倍も接種できる優れものです。 - コレステロール値を抑える効果
昆布は煮るとネバネバしますが、このネバネバはアルギン酸やフコイダンという成分で、コレステロール値を抑え免疫力を高める効果が期待できるそうです。
和食には欠かせない食材ですが、栄養学においても優れた食材といえますね。
縁起物に昆布を選ぶならコレ!昆布の選び方
最後に昆布がおすすめのゲストや地域、アイテムを紹介します。これから引き出物を選ぶ新郎新婦さまは是非参考にしてみてください。
ご夫婦や年配ゲストの縁起物に

縁起物の昆布は特にご夫婦ゲストにおすすめ。
また、年齢の高い年配のゲストは、馴染み深く結婚式の引き出物には欠かせないと考える人もいます。
和食には欠かせない食材であるため一人暮らしの方でもお料理が好きなゲストには喜ばれると思いますよ。
縁起物に昆布を使う地域
熊本・青森・岩手の結婚式では縁起物に昆布がよく使われています。
- 熊本
戦国武将の加藤清正は、昆布を大変重要な食材として城に数年分を備蓄していたそう。歴史的背景からか熊本の結婚式ではよく利用されています。 - 青森、岩手
北海道に次いで昆布の生産量が多い地域です。
おすすめの昆布
引き出物で贈る昆布は加工品が一般的。
パッケージデザインがおしゃれで、和婚でも洋婚でもお使いいただけるようになっています。
喜婚舞(よろこんぶ)
商品名からも縁起の良さがわかる縁起物。
昆布佃煮や・とろろ昆布のセットで、手軽につかえるアイテム。シックなパッケージは大人のカップルにおすすめです。
ひと息お吸い物
「20代の若いゲストが多い。でも縁起も重視したい。」
とろろ昆布を使用したお吸い物。
ハート形のお麩をトッピングがかわいらしい縁起物です。
縁起物の昆布まとめ
- 披露宴の語源ともいわれる昆布は両家の結婚が広まるようにとの意味街がある
- 戦の縁起物としても使われており歴史が長い
- 栄養価が高く和食には欠かせない食材で夫婦や年配のゲストにおすすめ
今回は結婚式のおける昆布を紹介しました。
縁起物には、鰹節や梅干しが多く使われていますが、ちょっと珍しいアイテムを探している人にも昆布はおすすめです。