
日本の伝統ならではの厳かさ、色使いの美しさなどで今改めて人気になりつつある和婚。
年配ゲストには懐かしさを、同世代のゲストには新鮮さを残す和婚は、どの世代のゲストにも印象に残るウェディングスタイルです。
今回は、これから結婚式場を探す方・既に式場が決まっている方など『和婚を目指す』全てのプレ花嫁さまへ、
- 和婚がテーマの結婚式づくりのポイント
- ゲストへのおもてなしの方法
について紹介させていただきます!
サプライズ?徹底する?和婚の取り入れ方
和婚をテーマやコンセプトとして取り入れるなら、まず考えて欲しいのは“取り入れるボリューム”です。
考え方は、2つあります!
トータルコンセプトで和婚を貫く

和婚をテーマにした結婚式のベーシックなスタイルは結婚式全体を【和】のコンセプトのもとトータルコーディネートする方法です。
結婚式に関わるアイテムで、ゲストに一番最初に手元に届く招待状は和風のデザインに。

挙式スタイルはもちろん神前式で、衣装は白無垢から色打ち掛けへお色直し。演出は、折り鶴シャワーや入場の番傘(ばんがさ)など和で統一します。

結婚式全体を和で統一するとゲストが結婚式を振り返るときに、
「和の雰囲気が素敵な結婚式だったね」と印象に残る結婚式になりますよ。
また、和婚をトータルコンセプトにする最大のメリットは、
- アイテム
- 衣装
- 演出
など結婚式での”決めごと”がスムーズに判断できることです。
結婚式は、たくさんのアイテムの集合体。
結婚式の準備がはじまると、
「ウェルカムスペースは?挙式は?披露宴の演出はどれにしよう?料理もドレスも決めないとだし、招待状も作らなきゃ…」
と都度アイテム選びに悩むことになります。しかし、テーマやコンセプトを統一すると悩む時間も短縮されストレスフリーに!
さらに、統一されたアイテムは、ゲストの印象にも深く残ります。
自分たちにとっても、ゲストにとってもコンセプトである【和婚】を強く印象に残したいのであれば、トータルコーディネートとして取り入れることがおすすめです。
和婚をサプライズ的に取り入れる方法
『和婚』をサプライズテーマとして取り入れる方法もあります。
式中盤までは、和を感じさせない雰囲気に。
例えば、挙式スタイルはキリスト教式や人前式など、もちろん衣装はウェディングドレスとタキシードです。
ところが…
お色直しのタイミングで様相をがらりと変えて、新郎さまは紋付袴、花嫁さまは色打ち掛けのお色直しで入場します。

番傘を持ち、花吹雪舞う中入場してくる新郎新婦の姿は、これまで『洋』の雰囲気を出していた結婚式を一変させ、ゲストへのインパクトは大!
せっかくお色直しするのだから、ゲストの心に届くようなイメージチェンジをしてみませんか?
花嫁さまにとっては、
- ウェディングドレスの華やかさ
- 雅やかに美しい色打ち掛け
と2パターンの花嫁衣装を楽しめるとあって実は人気があります。
会場装花は、洋装にも和装にもマッチするモダンクラシックテイストにすれば違和感はありません。また、お色直し後は、衣装に合わせて和婚をテーマにした演出にシフトチェンジしてみてください。
ひとつの結婚式で衣装や演出など、洋と和それぞれの魅力を伝えることが出来るのは、サプライズで和婚をテーマに取り入れるメリットです。
和婚をコンセプトに取り入れるポイント
結婚式のテーマやコンセプトを立てるときには、どこまで徹底してコンセプト通りに仕上げるのかがポイントです。
そこで、和婚をテーマやコンセプトにするときの、取り入れポイントを5つ紹介します。
和婚をテーマにした式場の選び方

「和婚がテーマ=和風の結婚式場を選ぶ」という必要はありません。
ですが、和婚のイメージに作り込みやすい雰囲気の式場選びはポイントとして押さえて欲しいところ。
おすすめは歴史深い料亭や近代建築の建物をリノベーションしたゲストハウス。
重厚感のあるレトロな外装、クラシカルモダンなインテリアなど、和婚にミックスしやすいテイストになっています。

歴史深い建物には、国の登録有形文化財として指定されているものもあり、普段では足を踏み入れることの出来ない特別な空間。
結婚式という特別なシーンには、ぴったりの場所ですし、ゲストのみなさまにとっても”非日常”を感じていただけるはずです。
和婚をテーマに結婚式作りをするのであれば、完全に【和】だけをコンセプトにするのではなく、近代的な要素もミックスさせて取り入れると現代風和婚になりますよ。
挙式スタイルはやっぱり神前式?

「和婚=挙式は神前式」と思われがちです。
もちろん日本伝統の結婚式である神前式は、和婚にとって必須といえるかもしれません。
しかし、神前式に決める前に知ってほしいことが二つあります。
神前式の2つの懸念事項
- 神前式中は写真撮影禁止のところが多い
- 神前式の参列者は親族のみ
神前式は、神社と提携のカメラマンならOKという会場もありますが、多くは写真撮影が禁止されています。
撮影が可能でも撮影場所は限られたスペースで、キリスト教式や人前式ほどカメラマンが自由に動ける状態にはありません。
和婚を希望しているけれど、神前式の写真もたくさん残したいという希望があれば、プランナーさんに相談してみましょう。
結婚式は”家と家との新たな繋がり”を意味しており、神前式の参列は親族のみと限定されていることが多いです。つまり、友人や会社関係など血縁関係にないゲストは、参列することができません。
白無垢姿をご友人に見てもらいたいなら神殿の外で待機していただき挙式後に撮影時間を設けるようにする必要があります。
上記のように神前式には規制があります。
式場によって細かな規制が異なるため、プランナーさんへの確認は必須です。
一方で和婚でもあえて神前式を選ばないという方法もあります。挙式は和装を着たいけど、
- 挙式中の写真は撮りたい
- 1人でも多くのゲストに参列して欲しい
という希望があるなら人前式をおすすめします。
白無垢と袴で人前式

人前式の魅力は、完全にフリースタイルであるということ。
決まった進行も無く、宗教も関わらないことから、自分たちの希望に添った内容に作り込むことができます。
当然、和婚をコンセプトに取り入れた挙式をすることも可能ですよ。
衣装は新郎さまが袴、花嫁さまが白無垢。
花嫁さまのヘアスタイルは洋髪にし、大振りの和テイストのヘッドフラワーを付けても素敵です。また、人前式の演出には、和婚の要素を取り入れた『お水合わせの儀』はいかがでしょうか?
お水合わせの儀とは、伝統ある結婚式の儀式のひとつ。
昔の結婚式では、式当日に新郎新婦が、それぞれの家から水を汲んで持ち寄ったそう。そして、それぞれの水を一つの器に注ぐお水合わせの儀が行われていました。
“新たな家庭を築く”という意味合いを持っているともいわれている演出です。
さらに工夫をしてイマドキにアレンジするなら、発光液を使ってみたり、カラフルな砂を合わせる“サンドセレモニー”も人気あり。
コンセプトが和婚でも必ずしも神前式をする必要はありません。
人前式のメリットである“自由なカタチ”を取り入れて、和婚のコンセプトに見合った自分たちらしい挙式を作り上げる方法もありますよ。
挙式スタイルを決めるときには、それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、ベストな選択をしてくださいね。
装花は会場イメージを作り上げる要!

披露宴会場のイメージを作り上げる上で、装花は重要なポイントです。
ゲストテーブルやメインテーブルの装花を完全に和婚のコンセプトに合わせるのであれば、おすすめの花材は、ダリヤやピンポンマム、芍薬(しゃくやく)です。
和モダンテイストにするなら、くすみカラーのアジサイやアンスリウムを使っても雰囲気がでます。お花の打ち合わせをする前には、
- 和婚を貫きたいのか
- 和モダンなどミックステイストの方が好みなのか
を伝えるとイメージにあった装花を準備してくれるはずです。
ゲストが重視する料理にも和の要素を

結婚式でサービスされるお料理は、招待されたゲストも楽しみにしています。
ゲストが、結婚式の良し悪しを判断する要といっても過言ではありません。だからこそ式場選びの際にもお料理にこだわって探されている方も多いです。
和婚がコンセプトならゲストが楽しみにしている料理にも和のテイストをいれてみてはいかがでしょうか?
結婚式のお料理は、
- 既存のコースメニューの中から価格帯に合わせてチョイスする
- お料理の内容や予算に合わせて自分たちだけのオリジナルメニューを作る
という二つのパターンがあります。
気をつけたいのはコース料理の内容が決まっている式場です。
式場によっては、和婚のコンセプトに合わせてお料理を変更できないことがあります。
1日に何件もの結婚式を受けている結婚式場の場合は、まとめて食材を仕入れているので、個別の対応が難しいこともあるのですね。
ちなみに、オリジナルメニューが作れる式場は、シェフとの打ち合わせがあるため希望を伝える機会があります。
プランナーさんへは早めの相談を!

早い段階でひとまずプランナーさんに、
「和婚をコンセプトにしたいので、お料理に和のテイストをいれたいです」
と希望を伝えてみてください。
早くから伝えておくと対応してくれる場合もあります。また、お料理の変更が難しいなら、既存のメニューにほんの少しアレンジを加えるだけで、和婚のコンセプトに近付けることはできるんです。
例えば、お料理の変更が難しければ…
「和をイメージした、お皿に変えれませんか?」
とお願いしてみてください。
お料理はフレンチだとしても、ベースとなる食器を変えるだけで、手元にお料理が運ばれてきたときの印象は随分違います。
お料理はおもてなしの最重要アイテム。
ゲストへ和婚をアピールするためにも、ここはこだわってコンセプトに近付けるべくアレンジをしてみてください!
演出で和を伝えてゲストもほっこり

和婚をコンセプトにしているのであれば、どんな演出をするべきかも気になるところですね。
結婚式の演出は、数をたくさんするばかりでは、ゲストの印象には深く残りません。
むしろあまりにもたくさん演出を詰め込んでしまうことで、ゲストにとっては慌ただしいばかりの結婚式の印象に。
ゆっくりお食事を楽しんで頂く余裕の無い結婚式は、ゲストに疲労感を残します。ですから、演出を考えるときには『数』ではなく『質』をポイントに考えてみてください。
例えば、和婚をコンセプトにしているのなら“夫婦初めての共同作業”を、ウェディングケーキに入刀ではなく、鏡開きにしてみてはいかがでしょう?

『鏡開き』の“開き”には、“この先の未来を切り開く”という意味があり、和婚の演出としては是非取り入れてもらいたい演出のひとつです。
しかも、ゲストと一緒に「よいしょ!」という掛け声のもと行われる鏡開きは、会場全体に一体感も生まれます。
樽のお酒は、鏡開きのあと“振る舞い酒”としてゲスト全員に新郎新婦からサーブ。
ひとりひとり丁寧に挨拶をしながらコミュニケーションを楽しむアイテムとしてアレンジすることも出来るのです。
主役である新郎新婦のおふたり自らゲストの元に出向き、会話を演出にすることでゲストの満足度もグンと上がります。せっかく【和婚】をコンセプトにしているなら、見せるばかりの演出ではなく、ゲストがホッと和めるような演出でおもてなしをしてみませんか?
引き出物にも和を感じるアイテムを!
引き出物の定番といえばカタログギフトにバームクーヘンです。
せっかく和で統一しても、引き出物に和が感じられないとゲストの印象も薄れます。
引き出物はゲストが自宅に帰って唯一結婚式の余韻を感じるアイテムです。
そのため和婚にするなら引き出物にも”和”を取り入れてみてはいかがでしょうか?
例えば、定番のカタログギフトなら”表紙が和風のカタログギフト”や”日本をテーマにしたカタログギフト”はいかがでしょうか?
日本のおいしい食べ物は日本全国の”グルメ”が掲載された和風カタログギフトです。
お品物なら今治タオルや和食器など日本製にこだわるのもいいですよ。
さらに、引き菓子は定番のバームクーヘンをちょっと工夫して、抹茶ベースにしてみるのもおすすめです。
もちろん和菓子の羊羹やわらび餅をセレクトしても良いですよね。
引き出物は定番にしたいというときには、三品目の縁起物で和を演出する方法もあります。赤飯や鯛めしの素などは、御家族やご夫婦ゲストにも一人暮らしのゲストにも嬉しいアイテムです。
まとめ
和婚をテーマやコンセプトにするときの、結婚式の作り方についてご紹介させていただきました。
和婚といっても取り入れ方は様々。
- トータルコーディネートするのか
- サプライズ的に取り入れてみるのか
- 和婚に関わるアイテムを、どのように組み込むのか
など“自分たちらしさ”の見せどころです。
新郎新婦おふたりはもちろん、ゲストにとっても一生の思い出となるような結婚式になるために考えてみてください。