結婚式の引き出物で頂くカタログギフト。
いざ交換をしようと思うと、掲載商品が多いため、なにを選べばいいか悩みどころですよね。
「やっぱりお肉が一番お得でしょ!」
「ブランド品が一番高そうだな。」
「文字や写真の大きい商品は怪しい。」
このような基準で選ぶと損をするかも。
今回は、カタログギフトのメーカーに9年勤務していた高山が”カタログギフトで本当にお得な商品”をご紹介!
カタログギフトをもらった人も、新郎新婦さまも必見!
にしてみてください。
カタログギフト掲載商品の定価
まずは定価という観点からカタログギフトの商品をみていきましょう。
勘違いされているお客様が多いのですが、カタログギフトに掲載されている商品の定価は基本的に、すべて同じです。
さまざまなジャンルが掲載されているカタログギフト
コースが同じなら、松坂牛でもブランド品でも、食器でも定価は同じだよ
掲載商品の定価は揃えるという暗黙のルール
カタログギフト業界には、暗黙のルールがあります。
カタログギフトの販売定価と掲載商品の定価は揃えるというルールです。
法律で定められていないが、定価を揃えることは業界の暗黙のルール
カタログギフトの価格は特殊です。
一般的な商品と違って、価格にシステム料という費用が含まれています。
販売価格=本体価格+システム料(※)
※システム料とは送料やカタログの印刷費用のこと
たとえば[3,800円(税抜)]のカタログギフトなら、以下の価格構成となります。
本体価格 | システム料 | 販売価格(税抜) |
---|---|---|
3,000円 | 800円 | 3,800円 |
本体価格が掲載商品の定価です。
つまり、このカタログギフトには定価が3千円の商品しか掲載されていません。
カタログギフトにはシステム料があるため、3,800円で購入しても交換できる商品は3,000円の商品。購入代金に対して割高である反面、「欲しい物」が選べるメリットもあります。
定価を上回る商品は掲載されない
カタログギフトの会社によっては、定価が異なる商品を掲載することがあります。
しかし、商品の定価が本体価格を上回ることは、ほとんどありません。
商品の定価が、本体価格よりも上回るケースは、以下のような特殊ケースです。
- 価格改定で定価が上がった
カタログは印刷物のため、掲載すると基本的に取り消しができません。掲載後に、メーカーが価格改定しても、掲載し続ける必要があります。
- 掲載点数が極端に少なくなる
価格が中途半端なコースは、該当商品が少なく結果的に掲載できる品番が少なくなるため、定価を上回る商品を掲載することがあります。
ただし定価を上回る商品の掲載は低い割合。
カタログギフトメーカーに勤務する人でも、探すのは非常に困難です。
上記の特殊事情を除けば、カタログギフトの掲載商品の
といえます。じゃあ結局、カタログギフトでは何を交換すればお得なの?
”定価”という観点で答えるなら、どれも同じだよ。
ただし!
”原価”という観点からみると答えは違います。
ここからは本記事の醍醐味です。
少し長くなりますが、じっくりご覧ください!
原価は商品毎に大きく異なる
定価が同じなんて嘘だ!やっぱり何か隠してる!
こんな風に疑った人もいるでしょう(笑)
定価が同じと言われても、何となく違和感を感じますよね。
その理由は、日常生活において定価購入の機会が非常に少ないからです。
恐らく、あなたが意識している価格は、定価ではなく購入価格だと思います。
日常生活の買い物でも意識するのは販売価格
あなたは販売価格がどのように決まるかをご存知でしょうか?
昔は『定価』や『希望小売価格』を基準に商品が販売されていました。
たとえば、ヨドバシカメラやビックカメラにいくと『メーカー希望小売価格』という値札をよくみかけたものです。(年代がわかる…)
しかし最近は、ほとんどみかけません。
なぜなら、各ショップが独自に価格設定(利益額を商品原価にプラスして販売価格を決める)し、販売しているから。
カタログギフトもこれと似ています。
定価は同じですが、原価は異なるため価格の異なる商品にみえるのです。
「カタログギフトの掲載商品は、どれがお得か?」
この質問に対して、原価の高い商品という観点なら、明確にお答えできます。
カタログギフトで最もお得な商品ランキング
カタログギフトのアイテムで、なにを交換すれば一番お得なのか?
以下では商品原価という観点からランキング形式で紹介します。
高原価商品ランキング
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チケット系
もっとも原価の高い商品は、日帰り温泉やレストラン、クルーズなどのチケット系。
カタログ発行会社の多くは、旅行代理店業の免許を保有していないため、チケット系商品の多くは、旅行代理店から仕入れています。POINT旅行代理店には、卸売りの考え方がほとんどありません。カタログギフトの会社が旅行代理店から仕入れる場合、わたしたちの購入金額に近い仕入れ値です。
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有名スイーツ
いわゆるデパ地下系の高級スイーツは高原価アイテムで、ゴディバやダロワイヨ、ヨックモックなどの商品が該当します。
仮に有名スイーツばかりが注文されると、カタログギフトメーカーは悲鳴をあげるほど高原価です。POINT百貨店にも店舗のあるブランドスイーツは、基本的に直販メイン。卸売りマージンを省くことで、品質の高い美味しいお菓子を提供できるため、仕入れる場合は非常に原価が高くなります。
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ブランドアイテム
最近のカタログギフトには有名ブランドの取り扱いも増えてきました。
メーカーによって異なるものの、ジルスチュアートやジェラートピケなどの女性向けブランド、ビームスやシップスなど男性向けブランドは多くのカタログギフトに掲載されています。POINTブランドイメージを毀損させないよう、厳密に管理しており、掲載できるカタログギフトも品質の高いメーカーに限定されます。
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生鮮グルメ(肉・蟹など)
生鮮グルメは高原価と思われがちですが、実際はピンきり。
収穫量に応じて市場価格が変動するため、厳密な定価はなく、量目(グラム数)により価格が変動します。つまりカタログギフトメーカーが、量目により原価をコントロールできるアイテムです。POINTカタログギフトの価格が同じでも、発行企業が違うと同じ食品でも、量目(グラム数)が違うことがあります。たとえば、3千円コースの黒毛和牛でもA社は300g、B社は250gなど。いいカタログギフトは量目にもこだわります。
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一般雑貨
インテリア雑貨やホビー系の商品です。
インテリア用品ならラックや写真立て、時計など種類も多く、ホビー用品なら子供のおもちゃやアウトドアグッズがあります。掲載点数は多いものの、好みの違いがあるため交換率は高くありません。POINT雑貨でもブランドのアイテムなら原価はそれなり。ただ雑貨系は、ノーブランドのアイテムが多く掲載されている傾向があります。
次点はキッチン雑貨(食器)。
すべての商品ではありませんが、食器やお鍋・包丁などは、基本的に原価の安い商品が多いです。
ただしブランドや高機能の食器類は原価も高い
理由は簡単!
カタログギフトに掲載されている多くの、お鍋や包丁は商品改定をしません。お鍋ならともかく包丁の商品改定って想像できないですよね!
何十年も前に発売された包丁が、今も同じ形で販売されています。
つまり、開発費や新商品のプロモーション費用を省くことで、 わけです。
いかがでしょうか?
想定どおりだったという方も多いかもしれませんね。
「カタログギフトはどの商品に交換したら一番お得なの?」
この質問に原価という観点で回答すると、答えはチケット系商品で、反対にもっとも原価の安いカテゴリーは、キッチン雑貨(食器や鍋、フライパン、包丁など)です。
「そういえば昔カタログギフトをもらったときに包丁と交換したような・・・」
こんな方は非常に多いはずです。
実はカタログギフトには、一般的な商品の購入とは異なる“ある傾向”があります。
なぜか包丁や食器と交換しちゃうのか?
以下では、カタログギフト商品交換の傾向についてお話いたします。
お得な商品と欲しい商品は別物
「お得な商品を選びたい!」
それなら温泉やクルーズ、レストランなどのチケットと交換すれば、原価という意味では、もっともお得です。
ところが、チケットと交換する割合は少ないです。
なぜ温泉のチケットとの交換が少ないのか?は、主に以下の理由が考えられます。
- 交通費が含まれて、おらず実費負担となる
- ペアのプランが多く使いづらい人もいる
チケット系は意外と使いづらいアイテムなんだ
貰いものだからこそ欲しい商品がある!
『自分でお金を出して買いたいもの』と『プレゼントや贈り物でもらいたいもの』は、異なる人が意外にも少なくありません。
この人の気持ちを、うまく理解して商品掲載されているのが、
です。自分の大好きなブランド商品もカタログギフトでは交換しない?!
もし大好きなブランドが、カタログギフトに掲載されていたら……?
当然、交換すると思いますよね。
しかし実は、好きなブランドと交換する人も少ないです。好きなブランドにも関わらず交換しない理由は主に3つあります。
- ひとつのブランドで、カタログギフトに掲載されている商品は数点しかない
- カタログギフトによっては1点のみしか掲載されていない
- 好きなブランドだけど、欲しいジャンルでない(たとえばコスメラインは好きだけど、食器はいらない)
自分の持っていない欲しいアイテムなら交換すると思います。
しかし、そういったケースは非常に少ないのが実情。つまり実際にブランドショップに足を運び、ブランドの空間で、商品を探す行為そのものが大切です。
包丁がカタログギフトで人気な理由
包丁はカタログギフトで人気の高い商品。
あなたの自宅にある包丁は、いつ購入したか覚えていますか?
ほとんどの家庭に包丁はありますよね。
いますぐ「包丁を買わなくちゃ」ということが日常生活では発生しません。
ところが、カタログギフトに”高級そうな桐箱入りの包丁”が掲載されていたらどうでしょう?
カタログギフトの包丁はセットも多いです
「そういえば最近、包丁の切れ味悪くなった気がする。高級な包丁に交換して、ちょっと料理でも頑張ってみようかな!」
不思議とこう思う人が少なくありません。
結果的に包丁と交換する人が少なくないのです。
お金を払って買わないけど、カタログギフトでは交換する!
お金を払って買うアイテムと、カタログギフトで交換したいアイテムは異なります。
つまり自分で欲しいものは自分で買う。
カタログギフトの交換では「自分では買わないが、折角だからこれにしよう!」というような商品が人気商品です。
包丁以外にも……
- キッチンの便利グッズ
- 便利なキッチン家電
- 小皿や茶碗などの食器
- お鍋
- 有名店のグルメ
このような商品もカタログギフトでは、人気の高いアイテム。
カタログギフトには、上記のような商品の掲載が充実しています。
カタログギフト交換ランキング
あなたは、どの商品と交換をしようと思いましたか?
続いては、他の人が何と交換しているかを紹介します。
ちなみに……
交換されやすい商品は、以下の理由により、カタログギフトの金額によって違いがあります。
- 掲載されているラインナップに違いがある
- 値段ごとにカタログギフトをもらう年齢に差がある
3800円コースの交換ランキング
- 包丁セット
- 牛ステーキ肉
- 鍋3点セット
- お皿5枚セット
- 牛すき焼肉
やはり、お肉も人気商品。包丁は意外かもしれませんが、すでに説明したとおり、カタログギフトメーカー勤務の人には”あるある”だよ
5800円コースの交換ランキング
- オーブントースター
- 血圧計
- 神戸牛
- 北海道グルメのセット
- 牛すき焼肉
5千円代のカタログギフトは年配の方がもらうことが多いから、血圧計のような健康グッズの交換率が高くなるよ
カタログギフトにも品質がある!
ここまでは、カタログギフトの交換について解説しました。
最後に、結婚式の引き出物でカタログギフトの選び方を、説明します。
カタログギフトの掲載商品は会社ごとに大きく異なる
カタログギフトといっても発行する会社ごとに内容は異なります。
仮に同じ価格であってもです。
掲載商品の品質≒カタログギフトの品質。
せっかくなら、誰だって品質の高いギフトを贈りたいですよね!
カタログギフトの品質を知りたければ、掲載商品を見れば一目瞭然です。
これさえチェックすればOK!高品質カタログギフトの見分け方
カタログギフトには非常に多くの商品が掲載されています。
すべての商品をチェックするのは大変ですが、以下のジャンルのブランドを確認すれば品質がわかります。
- スイーツブランド
- ファッションブランド
スイーツブランド
以下で紹介する有名ブランドが、ひとつでも掲載されていれば、品質が高いカタログギフトといえます。
ピエール・エルメ・パリ
パティスリー界のピカソとも称されるピエール・エルメ。1粒で300円~の高級マカロンやチョコレートがあります。国内ブティックは東京や京都など限られるため、一度は食べてみたいと思う人は少なくないはずです。
ジャン=ポール・エヴァン
超高級チョコレートブランドと知られています。有名百貨店のデパ地下エリアに、ひときわ高級そうな店舗を構えており、まるで高級ジュエリーブランドのよう。高級チョコの美味しさで、エヴァンとエルメで迷う人が多い2大ブランドです。
ポール・ボキューズ
50年以上も3つ星の最高評価を獲得し続けたフランスの名店『ポール・ボキューズ』正当なフランス料理を伝えるため、日本では代官山に居を構えます。食通を唸らせ続けたグルメを、ご自宅で味わえる最高のひとときになるはずです。
ブランドスイーツは、原価が高く交換件数も多いアイテム。
カタログメーカーは交換されるとわかりながらも、品質のいいカタログギフトにするために掲載しています。
ファッションブランド
以下のブランドアイテムが掲載されていれば、高品質かつ感度の高いカタログギフトです。
gelato pique(ジェラートピケ)
20~30代の女子から、ガーリーで、かわいいブランドとして人気のブランド。ジェラピケといえばルームウェアですが、タオルやハンドクリームを掲載しているカタログギフトがあります。
SABON(サボン)
友達の誕生日プレゼントにサボンを贈ったことのある女性は多いのではないでしょうか。ボディスクラブやボディソープなど、サボンといえばコレ!というアイテムを掲載しているカタログギフトがあります。
DIESEL(ディーゼル)
ファッション大国イタリアの高級カジュアルブランド。カタログギフトには、別ラインのディーゼルリビングの、トレンドアイテムが掲載されています。品質の高いカタログギフトにしか掲載されないブランドです。
JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)
性別や年齢を問わず人気の高いブランドのジャーナルスタンダードも掲載できるカタログギフトは限られています。アパレルのアイテムはもちろん、ジャーナルと共同開発したアイテムを取り扱うカタログギフトもあります。
自社ショップで売れるにも関わらずカタログギフトに、人気の商品が掲載されていれば、カタログギフト会社の信用力の高さ、ブランドを毀損しないカタログの品質の高さ、掲載商品の感度の高さを証明しているといっても過言ではありません。
1分で振り返り
この記事のまとめ
今回は交換する人の立場で解説させていただきましたが・・・
自分が欲しいと思った商品を交換するのが一番のオススメです。いまさら感がありますが(笑)
わたしの経験ですが、いくら原価が高いからといって、使わない欲しくない商品と交換をしても後悔します。
原価で選ぶ手段は、商品が全くないというときだけが良いですね。
そして引き出物選びでお悩みの新郎新婦さま!
カタログギフトを表紙や価格だけをみて決めるのはやめましょう。
一部のショップでは「こんなカタログギフトを結婚式の引き出物に売っちゃダメでしょ!」というお店もあります。
掲載商品をみて決めないと「選ぶものがない!」といわれる原因になります。