婚姻届の提出に必要な持ち物は人によって異なります。
基本の持ち物は3つだけですが、国籍や提出先(本籍地)などにより、追加の書類が必要です。
婚姻と引っ越しが同時期の人は、転入出関係の書類を用意すると効率的。
以下では、すべてのケース別で必要な持ち物を解説します。
[簡易診断]婚姻届の提出日に必要なもの
婚姻届の提出日に必要な持ち物や書類は、人によって異なります。
以下では、本籍地と提出先を入力していただくだけで、かんたんに必要な書類や持ち物を調べられるので活用してみてください。
必要書類チェック
現在の本籍地
婚姻届の提出先
その他に該当する人
国際結婚は役所や国によって必要書類や手続きが異なります。
必ず提出先の役所に事前確認をしましょう。
婚姻届の提出日当日の持ち物や必要書類
国際結婚や未成年など特別なケースでは、追加書類が必要です。
以下では婚姻届の提出時に、必要な書類をケース別に紹介します。
[全員共通]婚姻届に必要な持ち物
必要事項がすべて記入済でなければなりません。とくに証人欄は忘れると当日が難しくなるので忘れずに!
運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、住基カードなど顔写真付きの官公署発行の証明書なら何でもOKです
記入モレやミスがあったとき、その場で修正できるため婚姻届に押印した印鑑(旧姓)を用意しましょう
婚姻届(婚姻届書)
当然ですが
複写式やコピーした婚姻届を持参する人もいるので、記念用を持っている人は注意しましょう。
婚姻届の書き方は注意点も含めて関連記事で説明しているので、チェックしてみてください。
本人確認書類(身分証明書)
運転免許証やマイナンバーカードなら問題なし!
戸籍関係の手続きは、法律で本人確認が必要となるため、原則として顔写真が貼付されている書類の提示が求められます。
本人確認ができるものの例
- 運転免許証
- マイナンバーカード(個人番号カード)
- パスポート
- 国又は地方公共団体の機関が発行した身分証明書
- 教習資格認定証
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 在留カード又は特別永住者証明書
以下の書類は二点以上の提示が必要です。
他の資料と合わせて二点以上の資料が必要になるもの
- 写真付きでない住民基本台帳カード
- 国民健康保険証
- 健康保険証
- 共済組合員証
- 国民年金手帳
- 戸籍謄本等の交付請求書に押印した印鑑に係る印鑑登録証明書
- 学生証(注)
- 社員証など法人が発行した写真付きの身分証明書(注)
- 上記に挙げたもの以外で、国又は地方公共団体が発行した資格証明書のうち写真付きのもの(注)
(注)の書類は証明力が低いため、(注)の確認書がふたつでは本人確認書類として使えません。
社員証&資格証明書の組み合わせはNG
記載した書類以外にも本人確認ができるものはあります。
また役所によって異なる場合もあるため、提出先の役所Webサイトで必要書類の確認は必須です。
「婚姻届 本人確認 ○○(市区町村名)」で検索すれば提出先の本人確認書がわかるよ。
印鑑
印鑑は念のため持参するのが◎
当日持っていく印鑑は、 。シャチハタやゴム印はNGです。
印鑑があれば、その場で訂正ができます。
軽微な記入ミスなら捨印で対応可能ですが、範囲を超えると印鑑が必要なため持参しましょう。
なお、証人の印鑑は不要です。
婚姻届に捺印した印鑑(旧姓の印鑑)でなければなりません。
成人した日本人で、本籍地への提出なら上記の3点だけでOK。
本籍地以外に提出したり、外国籍の人との婚姻、未成年の婚姻は追加資料が必要です。
提出先が本籍地以外 | 本籍地以外が必要な持ちもの |
年齢が未成年 | 未成年が必要な持ちもの |
国籍が外国籍 | 外国籍が必要な持ちもの |
代理人が提出 | 代理人に必要な持ちもの |
上記に該当しなければ追加の持ち物はありません。
念のため「婚姻届の提出前に知っておきたい3つのこと」もチェックしてみてください。
[本籍地以外]に提出する場合の持ち物
戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)
戸籍謄本は、本籍地のある市区町村で保管されています。
そのため本籍地以外に婚姻届を提出する場合に戸籍謄本が必要です。
婚姻すると親の戸籍から抜けて、新しい夫婦の戸籍をつくることになるよ
以下では、彼と彼女の本籍地と提出先の事例別に「どんなときに戸籍謄本が必要か?」を説明します。
※事例ではわかりやすくするため地元=本籍地としていますが、必ずしも出身地が本籍地とは限りません
彼の地元(本籍地)で提出する
カップル | 提出先 | 本籍地 | 戸籍謄本 |
---|---|---|---|
彼 | 福岡県 福岡市 |
福岡県 福岡市 |
不要 |
彼女 | 鹿児島県 鹿屋市 |
必要 |
彼女の地元(本籍地)で提出する
カップル | 提出先 | 本籍地 | 戸籍謄本 |
---|---|---|---|
彼 | 東京都 台東区 |
東京都 世田谷区 |
必要 |
彼女 | 東京都 台東区 |
不要 |
ふたりの本籍地以外に提出する
カップル | 提出先 | 本籍地 | 戸籍謄本 |
---|---|---|---|
彼 | 東京都 千代田区 |
神奈川県 横浜市 |
必要 |
彼女 | 大阪府 大阪市 |
必要 |
ふたりの本籍地に提出する
カップル | 提出先 | 本籍地 | 戸籍謄本の必要性 |
---|---|---|---|
彼 | 兵庫県 神戸市 |
兵庫県 神戸市 |
不要 |
彼女 | 兵庫県 神戸市 |
不要 |
本籍地とは?本籍と本籍地は違う?
本籍と本籍地は違う意味です。
- 本籍
戸籍のある場所(例:東京都港区芝公園4番)
- 本籍地
戸籍を管理する自治体(例:東京都港区)
戸籍謄本が必要なのは、本籍”地”と異なる役所に提出する場合です。
つまり、市内や区内の役所であれば、戸籍謄本がなくても問題ありません。
戸籍謄本の発行期限
役所によっては発行から3ヶ月以内と期限を設定しています。
そのため婚姻届の提出日が決まったら、日程にあわせて請求手続きをしましょう。
なお、役所によっては
ただ戸籍抄本は、戸籍謄本の一部を抜粋した書類なので、戸籍謄本を持参すれば間違いは起きません。
[未成年]が提出する場合の持ち物
父母の同意書または婚姻届への記載
日本の法律では男性18歳・女性16歳以上は婚姻が可能(※)。
ただし未成年者の婚姻には、父母の同意書が必要で、婚姻届に記入するか同意書を添付しなければなりません。
未成年者の婚姻について
法改正により現在の未成年者は18歳に引き下げられ、同時に女性の婚姻年齢を18歳に引き上げ、男女の婚姻開始年齢を統一することとしています。令和4年4月1日より施行されます。
父母の同意書は、書面ではなく婚姻届に記入をしても構いません。
その他欄に「○○○(未成年者の名前)の婚姻に同意します」と記入し署名押印します。
役所によっては同意書のテンプレートがあります。
たとえば、以下は東京都大田区の様式例です。
成年年齢の法改正によって、令和4年4月より男女共に18歳が婚姻開始年齢となります。
[外国籍]の方との婚姻に必要な持ち物
婚姻要件具備証明書とその日本語訳、国籍のわかるもの(パスポートや国籍証明書など)、日本人の方の戸籍謄本
外国籍の方の婚姻要件具備証明書と国籍証明書が必要です。
また、どちらの書類も役所の担当者がわかるように、日本語訳文も用意しなければなりません。
- 婚姻要件具備証明書
婚姻の要件を充足しているかを各国の公的機関が証明した書類。日本にある大使館や領事館で発行しており、手続きが必要です。
- 国籍証明書(パスポート)
名前のとおり国籍を証明する書類です。
婚姻要件具備証明書を発行していない国なら宣誓書や出生証明書などが必要だよ
婚姻要件具備証明書の発行方法
出身国の在日大使館や領事館で発行しています。
また日本語訳(本人が作成してもOK)も忘れないようにしてください。
ただし一部の国では制度がありません。
その場合は宣誓書や出生証明書、身分登録簿の写しなどが代わりの書類となります。
国際結婚は提出先の役所へ事前確認が必須!
国際結婚の場合、
役所によって書類が違ったり、日本方式や外国方式によっても、必要な持ちものや提出書類が異なります。
[代理人]が婚姻届を提出する場合に必要な物
代理人の身分証明書
婚姻届は、代理人の提出も可能。
委任状や届出人(結婚するふたり)の印鑑なども不要で、代理人本人の身分証明書が必要です。
なお、婚姻届は夫もしくは妻のどちらか一人だけで提出できます。
【超効率的】 婚姻届の提出と同時に引っ越しをする
婚姻と引っ越しが同時期なら、
以下では、婚姻届と引っ越しを同時期におこなう場合の手順や手続き方法を紹介します。
※引っ越し後は14日以内に住所変更の手続きをしなければなりません
最短ルート!婚姻届と転入・転出届の手続き
- 転出届を提出し、転出証明書を受け取る@引っ越し前の住所地の役所
- 転入届と婚姻届を提出する@引っ越し先の住所地の役所
なお、役所の窓口では転入届と婚姻届を同時に提出することを伝えましょう。
現在お住まいの市区町村内での引っ越しは『転居届』の手続きのみです。
転出や転入に必要な持ち物
転出と転入で必要な持ち物は以下のとおりです。
転出に必要なもの
- 転出届(当日記入で構いません)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑
- 国民健康保険証(自営業の方など該当者のみ)
転入に必要なもの
- 転入届(当日記入で構いません)
- 転出証明書(転出届を提出したときに受け取ります)
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 印鑑
引っ越し前の住所で抹消手続きを、引越し先の住所で登録手続きをします。
マイナンバーカードがあると自宅で転出手続きが可能。通常、引っ越し前と引っ越し先の役所(2回)に行きますが、マイナンバーカードがあれば引越し先の役所だけで完了します。
【必読】 婚姻届の提出前に知っておきたい3つのこと
最後に婚姻届の提出で知っておきたい3つのことを紹介します。
役所によって違う?婚姻届の提出先へ確認が確実
婚姻届の提出前は必ず”提出先の役所”のサイトを確認してください。
役所によっては持ち物が違ったり、土日の開庁時間が異なることもあります。
「市区町村名+婚姻届」で検索!
ページ内の「届出に必要なもの」を確認しておきましょう。
戸籍謄本は後からでもいいって本当?
人によっては「戸籍謄本が入籍希望日に間に合わない」というケースもあるかも……
しかも提出日までさかのぼって受理されるため、希望の日付で婚姻できます。
役所によっては対応が違う可能性もあります。そのため、もし戸籍謄本が間に合わなそうなら、役所へ聞いておくと安心です。
時間帯や提出日によっては大混雑
役所は日付や時間帯によって混雑します。
手続きに数時間かかることもあるため、丸一日スケジュールを空けておくのが◎
混雑しにくい時間帯 | 開庁時間直後 |
混雑しにくい場所 | 出張所や特別出張所(本庁舎以外) |
混雑しやすい時期 | 3月、4月、クリスマス、ゾロ目の日、語呂合わせの日など |
混雑カレンダーを用意している役所も。
また受付番号の発券後、スマートフォンで呼び出してくれる役所もあります。
せっかくの一生に一度の日だから、役所近くで美味しいランチを探すなど、待たされてイライラしないように準備しておこう
1分で振り返り
この記事のまとめ
今回は婚姻届の提出に必要な持ちものを説明しました。
基本は3つ、その他はケースにより異なります。提出先の役所の婚姻届ページも確認し、準備しましょう。