教会と楽譜

今ではクリスチャンでなくても、キリスト教の慣習にのっとって、チャペルで結婚式をあげるカップルが増えてきました。
チャペル式の賛美歌といえば『312番・いつくしみふかき』ですが、430番『妹背を契る(いもせをちぎる)』もセットでよく使われている賛美歌です。

結婚式に参列する両親・親族・友人といったゲストの皆様とは、お互いに支え合える存在。お互いのことを祈り思いやるような気持ちを意識しながら『いもせをちぎる』を聞くと、新郎新婦さまにとって感慨深いものがあるはずです。

今回は結婚式でよく使われている賛美歌『430番・いもせをちぎる』をご紹介します。

430番・いもせをちぎるの原曲

<When There's Love At Home歌詞>
There is beauty all around,
When there’s love at home;
There is joy in ev’ry sound,
When there’s love at home.
Peace and plenty here abide,
Smiling sweet on ev’ry side;
Time doth softly, sweetly glide,
When there’s love at home;
Love at home, love at home,
Time doth softly, sweetly glide,
When there’s love at home.

In the cottage there is joy,
When there’s love at home;
Hate and envy ne’er annoy,
When there’s love at home.
Roses blossom ’neath our feet,
All the earth’s a garden sweet,
Making life a bliss complete,
When there’s love at home;
Love at home, love at home,
Making life a bliss complete,
When there’s love at home.

原曲はジョン・マクノートン(John Hugh McNaughton)が1960年に作詞・作曲をしています。男女の愛、夫婦愛、家庭に火が灯る、愛が満ち溢れていくことの幸せが歌詞に込められています。

日本語の「いもせをちぎる」

続いて日本語の「いもせをちぎる」をご紹介します。

<いもせをちぎる 日本語歌詞>
妹背をちぎる 家のうち
わが主もともに いたまいて
父なるかみの みむねになれる
いわいのむしろ 祝しませ

今しみまえに 立ちならび
むすぶちぎりは かわらじな
八千代も共に 助けいそしみ
まごころつくし 主につかえん

愛のいしずえ かたく据え
平和のはしら なおく立て
かみのみめぐみ 常に覆えば
さいわい家に たえざらなん.

きよき妹背の まじわりは
なぐさめとわに 尽きせじな
重荷もさちも 共に分かちて
よろこび進め 主のみちに.

タイトルにもある『妹背(いもせ)』は、夫婦または夫婦の仲を表す古語です。
与謝野晶子さんは、妹背のことを『若い二人』と訳しています。夫婦の契りという言葉があるように、『妹背を契る(ちぎる)=結婚する』ということになり、結婚式にぴったりの賛美歌です。

意訳

私の家に愛があれば、周囲には美しさがあり、
私の家があれば、すべての音には喜びがある。

ここにある平和と豊かさは、
あらゆる面で甘美、そして豊か。
私の帰る家に愛があれば、時間はやわらかく、甘く流れていく。

私の帰る家に愛があれば、地球も愛で満たされる。

イエス様、あなたの慈悲を私に与えてください。
愛の源、あなたの応援の光
あなたの愛と光は、はるかかなたまで届き
夜の暗闇を払拭することができる
私たちの帰る家にも愛と光があり、
夜の暗闇を払拭することができる。
私の帰る家には、愛がある。

いもせをちぎるの深い意味

結婚とは、単なる2人の結びつきではなく、神が作りし男性と女性のクリエイティブな作業であり神聖な儀式です。

「いもせをちぎる」の歌詞には、深い愛と宇宙の真理が含まれているようです。キリスト教の概念では、イエスキリストは、男性と女性が神の計画として送り出されたとされています。

夫婦や家族の絆はもろくみえる時もあるかもしれません。それでも、二人の帰る家には愛と光が灯され、それは地球全体の愛と光へと広がっていくという深いメッセージが含まれている賛美歌です。