結納返しは日本で昔から引き継がれてきた風習であり、結納を受け取れば結納返しをするのが習わしです。
今回は結納返しに関する疑問についてお答えいたします。
結納と結納返し
婚約を正式に取り決める儀式が『結納』です。
両家にご挨拶をして、お互いの家族に新郎・新婦を紹介します。
結納には正式と略式があり、正式結納では新婦の自宅でおこなわれます。
略式結納では、料亭やホテルなどの個室を利用します。結婚式場によっては結納パックという挙式と結納がセットになったプランもありますよ。
結納返しは結納金のお返し
一般的に結納では新郎側から新婦側に支度金として結納金をわたします。この結納金に対してのお返しが『結納返し』です。
結納金を頂いた時、結納飾りを施して正式に頂いた場合は、新郎の家から頂いたお飾りと同等、または2~3割程度の控えめなお飾りを施してお返しをします。
現金をお贈りする場合は、表書きは『袴料』と書きます。袴料とは結納時に帯や着物を贈っていた時代、お返しに袴を贈ったことから袴料と呼ぶようになりました。
結納返しの相場
結納返しは地域によっても相場は変わってきます。
結納には関東式と関西式があり、東日本が関東式、西日本が関西式で別れています。
但し、九州には独特の九州式があり、結納のしきたりを重んじる地域であります。沖縄については関東式が主流となっているようです。
関東式の結納返し
関東式では結納金の半返し(100万円であれば半額の50万円)が主流です。関東式では「家同士が対等な関係でいたい」という考えの世帯が多いため半返しが主流になっています。関西式の結納返し
一方の関西式では結納金の一割程度が相場です。
関西式の結納では、結婚をしたら婚家に入るという意識が強く、嫁入り道具などに予算をかけることが多いからです。
結納金をはるかに超えるお支度をする家庭もあるため結納返しの金額が低くなる傾向にあります。なかには結納返しの風習が一切ない地域もあるんだとか。
最近の結納スタイル
現在では全国的に関東式を取り入れる家庭が多くなっています。
顔合わせや結納時の食事会にかかる費用の「酒料」や「肴料」なども関東式だと折半となりますが、女性の自宅や女性側が宴席を手配した場合は、「酒料」「肴料」に関しては1~2割程度のお返しをします。
しかし、現在では新婦宅で執り行う正式結納をする新郎新婦は非常に少ないです。どちらにするかはご両親と良く相談をして決めましょう。
結納返しを渡す時期は?
結納返しを渡すタイミングは3つあります。
- 結納時(結納と結納返しを同時に行う)
- 結納後に日を改める行う
- 嫁入り道具を婚家に搬入するとき
結納時(結納と結納返しを同時に行う)
最も多いタイミングです。
結納と同じ日に結納返しをおこなうため手間がかかりません。
結納の時期は結婚式の準備もあり何かと忙しくなる時期。
効率重視でいくなら結納時がおすすめですが、当日まで結納金の額はわかりません。そのためどの程度のものを用意すれば良いか打ち合わせは必須といえます。
結納後に日を改める
一番丁寧なタイミングです。いただいた結納の内容を確認してからお返しができるため誠実な対応といえます。しかし、遠方の場合は大変になります。
嫁入り道具を婚家に搬入するとき
嫁入り道具搬入時は荷物を運んだりしてバタバタします。
両家と新郎新婦の新居が近いカップルが選ぶことが多いタイミングとなります。
現金以外の結納返し
現金でお返しをしない場合どんなものをお贈りすればいいでしょうか?
以下では現金以外の結納返しのお品をご紹介いたします。
高級時計
最も多い例の結納返しといえば時計です。
時計は長く使えますし記念にも残ります。また、新婚旅行をした際にブランド時計を購入されるご夫婦もいらっしゃいます。
高級スーツ(お仕立券)
スーツも多い結納返しの品です。
フルオーダーのスーツは着心地が抜群に良く動きやすいですし、専用のクリーニングなどメンテナンスを行うと十年くらい着用することができます。
家電製品
パソコンやカメラなどの精密機器をお渡しするケースも増えています。
現金以外の商品を贈るときはお二人で十分に話し合うことができます。お二人で話あって新郎が喜ぶものを贈ることが多いですよ。
結納返しとは?まとめ
- 相場は関東式では結納金の半返し、関西式では結納金の一割程度がお返しの目安
- 結納返しを渡す時期は結納時、後日改めて、嫁入り道具搬入時のいずれか
- 現金以外を渡す時は時計やスーツが多い
ご家庭によって地域性の違い、結納返しに対する意識の違いがあります。まず両家のご両親に対して結納返しの行い方について確認したうえで本記事を参考にしていただけましたら幸いです。