平安時代から始まったとされる引き出物文化。
いつの時代も引き出物は、感謝の気持ちを伝え、お互いの絆や関係をよりよくしてくれます。
今回は引き出物について解説!
から最新の引き出物事情まで説明します。
引き出物とは?
結婚式だけでなく、法事でも「引き出物」と呼ばれており、現代においては結婚式でも法事でも意味はお礼やお土産品を意味しています。
以下では主に結婚式の引き出物について解説しているよ
結婚式の引き出物はゲストへの感謝とお礼
記念品と呼ばれるメインのお品物に、引き菓子と呼ばれるお菓子、縁起のいい品物など、複数のアイテムを組み合わせた総称を引き出物と呼び、それぞれに意味合いがあります。
引き出物の組み合わせと意味
最近の引き出物は、ご祝儀に対するお礼の意味合いが強く、その証拠にゲストにあわせて引き出物の内容と金額を変える『贈り分け』が一般的です。
引き出物の起源や由来と歴史
昔の引き出物は
引き出物の由来は、馬を贈っていた平安時代に「馬を庭先に引き出していた」ことから、引き出物と呼ぶようになったといわれています。
平安時代 | 馬を庭に引き出して贈っていたことから『引き出物』と呼ぶようになった。 |
鎌倉時代 | 馬の代わりに武具や昆布など海産物(当時は高価)を贈るように。昆布は今も縁起物として贈る人もいます。 |
江戸時代 | かつお節や高級魚である鯛を贈るように。かつお節は現在も縁起物として利用、衛生面から焼いた鯛は贈りませんが、真空パックの商品があります。 |
1980年代 | 現在も圧倒的な人気のカタログギフトが誕生。当初は「失礼」といわれていましたが、メリットが理解されて多くの新郎新婦さまが利用しています。 |
2000年代 | 挙式日当日に持ち帰る引き出物を自宅に郵送する『引き出物宅配』が登場。ゲスト満足度が高く、多くの新郎新婦さまが利用しています。 |
現在 | すべての引き出物がカードになった『引き出物カード』が登場。新郎新婦さまにも、ゲストにも利便性が高く、ますます進化しています。 |
結婚披露宴では引き出物の用意が必須
会費制であってもご祝儀制であっても引き出物を用意します。
ただし会費制は引き出物の中でも引き菓子だけが一般的。
一方のご祝儀制の結婚式では、記念品+引き菓子+縁起物の三品がもっとも多いパターンです。
会費制ではご祝儀がなく1~2万円の会費をいただくスタイルのこと。
北海道や青森県など一部の地域では会費制結婚式が主流となっています。
法事・法要の引き出物と結婚式の引き出物の違い
法事や法要でも引き出物と呼びます。
四十九日法要のお礼のことで、法事の引き出物でもカタログギフトやタオル、お菓子など です。
商品カテゴリーは似ていますが見た目は別物。
パッケージは落ち着いた印象の商品が多く、また結婚式のようなお品物(熊野筆やブランド食器など)は少なめです。
その他の違いとして「のし」があります。
どちらも水引きは結び切りですが、法事では水引の色が黒白または黄白で、結婚式では紅白や金銀・赤金を使います。
似ているようで全く違う結婚内祝い
結婚式の引き出物と似ているのが結婚内祝いです。
結婚内祝いは『結婚祝いのお返し』とほぼ同じ意味だと捉えて大きな間違いはありません。
引き出物 |
結婚内祝い |
---|---|
贈る相手 | |
列席者 結婚式に列席してくださった方に贈る |
結婚祝い 結婚式に招待していない人や欠席した人からお祝いをいただいたら贈る |
贈るタイミング | |
当日 基本は結婚式当日で、引き出物宅配なら1週間以内が目安 |
1ヶ月以内 結婚祝いをいただいてから遅くても1ヶ月、理想は2~3週間後 |
金額 | |
地域で異なる 基本はご祝儀額に対して5分1~3分1程度。お料理もあるため内祝いより安くなります。 |
半返しor3分の1 基本はお祝いの半返しですが、高額かつ目上の人には3分1でいいとされています。 |
のし | |
寿 のしは「寿」を使用します。記念品だけでも構いません。 |
内祝 内祝の他に「結婚内祝」でも構いません。水引は、引き出物も内祝いも「結び切り」です。 |
品数 | |
2品以上 会費制でなければ最低2品以上。5品や7品の地域もあります。 |
1品でOK 1品で構いませんが、2品がNGなわけではありません。 |
数あるウェディングアイテムの中でも重要な引き出物
招待状や席次表、ウェルカムボードなど数々のウエディングアイテム。
この中でも引き出物は、重要な意味と意義をもっています。
引き出物は、ゲストへ感謝を伝える欠かせない贈り物であり、ゲスト満足度にも影響します。
結婚式後も余韻を楽しんでいただける引き出物
結婚式アイテムの中でも引き出物は特別!
なぜなら引き出物は、ゲストが だから。結婚式の余韻を楽しんでいただけるアイテムとして、ゲストの満足度を大きく左右します。
引き出物は、ゲストのご祝儀にあわせた贈り分けが一般的。
約8割のカップルが、上司や親戚、友人などゲストにあわせて贈り分けをしています。
引き出物はゲスト目線が重要
昔の引き出物といえば……
イニシャルや写真入りのグラスやお皿が当たり前でした。しかし現在は、ゲストが「嬉しい」と思える品物を選ぶのが一般的。つまり が大切です。
とはいえ全ゲストの好み知るのは不可能。
そのため結婚式の引き出物では、ゲストが自分で選べるカタログギフトや引き出物カードが人気です。
6割以上のカップルがカタログギフトや引き出物カードを贈っています。
引き出物の準備タイミング
ゲストが決まるのは招待状の返信ハガキが届いてから。以下のスケジュールが目安です。
-
STEP1結婚式2ヵ月前までに結婚式を挙げる地域の相場や品数を調べて、引き出物の予算を決める。また購入方法や贈り方を検討する。
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STEP2結婚式1~1.5ヵ月前までゲストとの関係性(親族、上司、友人、同僚など)にあわせて、お品物の選定を始める。
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STEP3結婚式25日前から1ヵ月前ゲストが決まったら引き出物を注文する。
ショップによっては注文後でも変更できます。
たとえば、アンシェウェディングの引き出物カードなら、結婚式後の返品も可能です。
2023年最新!多様化している近年の引き出物の傾向
引き出物は時代と共に変化してきました。
たとえばゲストに応じて内容を変える『贈り分け』や持ち帰りが一般的だった引き出物を自宅へ郵送する『引き出物宅配』も人気です。
以下では、現代ならではの引き出物を紹介!
ゲストのことを考えたからこそ生まれたサービスばかりです。
ゲストの自宅へ郵送する引き出物宅配
今までの引き出物は結婚式当日に結婚式場で渡すのが一般的でした。
正確にいえば披露宴の のが主流。手渡しだと時間がかかりすぎるからです。
しかしゲストのことを考えるとイマイチな事情も。
たとえば「持ち帰るのが大変」や「二次会の会場に忘れる」「贈り分けがしにくい(引き出物袋の大きさがゲストで違う)」など……
そこで生まれたのが
ゲストの自宅に引き出物を郵送するサービスで、多くのゲストに喜ばれています。
- 遠方から出席するゲストが多い
- 二次会を予定している(お酒の飲み過ぎで引き出物を忘れる人がいる)
- 女性のゲストが多く参加する(ヒールで引き出物を持ち運ぶのが大変)
引き出物宅配よりも新しく便利な引き出物カード
引き出物の定番といえばカタログギフト。
新郎新婦さまが「贈りたいもの」からゲストが「嬉しいもの」に変え、時代にマッチした結果、 を贈っています。
そして3年前に登場した引き出物カード。
カタログギフトをグレードアップし、引き出物宅配のデメリットを解決してくれる引き出物です。
- 披露宴当日に引き出物を渡せる(宅配は渡せない)
- ゲスト一人ひとりの住所入力が大変
- 不在や住所変更など式後の対応がある
- ゲストが自分で好きなものを選べる
- 持ち込み料がかかる会場でもカードなら回避できることがある
引き出物カードはゲストが、すべての引き出物を選べます。
結婚式のテーマやコンセプトにあわせて、 。アンシェウェディングでは、ゲストへメッセージが書き込めるデザインのカードも用意しています。
引き出物の購入前に知っておきたい基本マナー
続いては引き出物のマナーを紹介します。
購入前に知っておくと はずです。
引き出物の内容 | メイン(記念品)、引き菓子、縁起物など複数のアイテム |
金額 | 平均6,260円/1人あたり |
品物の数 | 平均2.9品/1人あたり |
渡し方 | 披露宴のゲストテーブル席への設置、ゲスト自宅への宅配、受付(芳名帳への記入後) |
準備タイミング | 結婚式予定日の1.5ヵ月前~2ヵ月前に検討開始し、1ヵ月前に注文 |
※金額と品数はゲストや地域によって大きくかわります
引き出物は地域性があるため、金額や品数は結婚式を挙げる都道府県の相場を調べることが大切です。
引き出物を用意する相手は?
基準は招待状
引き出物は全ゲストに用意しなくてOK。
1通の招待状に、ひとつの引き出物を用意します。
夫婦や家族で招待しても、引き出物は1セットで構いません。
ただし、夫婦や家族ゲストのご祝儀額は高い傾向があり、引き出物の総額も高くするのがマナー。関係性によって引き出物の金額は変わります。
注意点は1世帯に、ひとつではないこと!
たとえば、家族でも子どもが成人しており、親と子どもへ別々に招待状を送ったら、それぞれに引き出物を用意します。親族関係は既婚・未婚によっても異なるため関連記事も参考にしてみてください。
引き出物の平均は6,260円
上司や親族は、友人や同僚より高めの引き出物を用意するカップルがほとんどです。また、あくまでも平均であることに注意を!
実は都道府県により引き出物相場は大きく変わります。
なんと最大で5千円以上も値段が違う地域も…関連記事も参考にしてみてください。
品数の平均は2.9品
金額と同じく品数も地域で異なります。
全国平均は2.9品ですが、5品の地域もあれば、3品の地域もあります。
「偶数は縁起が悪いから奇数がいい」
こんな風にいわれていますが、実際には2品だけの結婚式もあるため、お住いの都道府県の相場を把握することが重要です。
タブーといわれている引き出物もある
引き出物にはタブーといわれる商品もあります。
以下に一般的にタブーとされるアイテムやマナー違反のアイテムを記載するのでチェックしてみてください。
NGアイテム | 理由 |
---|---|
刃物 | 包丁やハサミなどの刃物は縁が切れるを連想させるため。ただ引き出物に包丁やハサミを選ぼうと思う人が、そもそも非常に少ないはずです。 |
生鮮食品 | 賞味期限の関係でNGです。引き菓子も賞味期限は10日ぐらいはあった方が安心できます。 |
名入れ商品 | 昔は多かった新郎新婦さまの名入れアイテム。名前や顔写真、結婚式の日付入の引き出物は嫌がるゲストは多く、贈る人はほとんどいなくなっています。 |
商品券 | 金額が丸わかりのため商品券はNG。引き出物だけでなくギフト全般でNGといわれています。 |
弔事で贈ることの多いお茶にも注意を!
パッケージが弔事用ではない華やかなアイテムを選ぶのがオススメ。また手作りも控えたほうが無難です。
地域による風習やしきたり
引き出物には風習やしきたりのある地域もあります。
また引き出物の金額や品数も地域によって差があるため、全国平均は参考になりません。
たとえば北陸地方は非常に高額。
一方で会費制結婚式の多い北海道は記念品がなく、引き菓子のみというケースが多いです。
地域によっては鯛かまぼこや名披露目、おいりなど独特のアイテムを贈る風習があります。
1分で振り返り
この記事のまとめ
引き出物を探す人はゲスト属性にあわせて選ぶのがポイント!
値引きサイトを利用すれば、同じ予算でランクアップできるため、ゲストにも喜んでいただけます。