挙式開始直後、花嫁が父親とともに教会の扉から現れる緊張の瞬間。
ゲスト全員の視線はそちらに集中し、中には花嫁の美しさにすっかり見とれてしまう方も。
これからバージンロードを歩くというまさに注目の場面で、最近は母親によるベールダウンセレモニーが行われることが多くなっています。
母親が花嫁のベールをおろし、これから旅立つ娘の“最後の身支度”を行うこの演出、実はとっても注目されているんだとか!?
今回はベールダウンの意味や方法、体験者の声、注意点まで幅広くご紹介します。
ベールダウンって?どんな意味で行われるもの?
花嫁が身に着ける『ウエディングベール』には、どのような意味があるかご存じですか?
ベールは古代ヨーロッパより存在する伝統あるアイテムで、『清浄(しょうじょう)※』のシンボル。花嫁を悪しきもの(悪魔・怨霊など)から守るものとして考えられてきました。
清浄とは?
清らかでけがれのないこと。また、そのさま。出典:清浄 -コトバンク-
誓いのキスの際、新郎がベールアップを行うタイミングで、司会者が「ふたりの壁が取り払われ…」という言葉を投げかけるのを耳にしたことはありませんか?
壁とはベールのことを差し、新郎によって取り払われることで、新郎新婦を隔てるものがなくなる(一緒になれる)という意味になっているのです。
新郎によるベールアップの前、バージンロードを歩く直前に行われるのが「ベールダウン」の儀式。ベールをおろしながら、母親から旅立つ娘に向け、祝福の想いを伝えることも多いですよ。
した人・しなかった人の割合
どれくらいの花嫁がベールダウンを演出に取り入れたのでしょうか?
2017年のデータでは実に69.7%(※)の花嫁が実施しています。
特にここ5年の調査結果で見るに、毎年どんどん増えていっている、まさに定番といっても過言ではない演出になっています。
父親と行う定番の演出といえば、バージンロードを歩くこと。 母親となにか行うという場面は、確かにこれまで、あまりなかったかもしれませんね。
両親とのつながりをより重視したい!と考える花嫁にとって、ベールダウンは必須演出になりつつあるようです。
体験者の声をどどんと紹介
続いてはベールダウンを実際に行った卒花嫁さんの感想をご紹介します。
- 母と向かい合った瞬間に感動が押し寄せてきた
- 花嫁になるための最後の身支度という言葉がぴったりの演出だった
- ベールを下ろしながら、母が小さな声で「幸せにね」と…。涙が止まりませんでした!
などベールダウンを行ったことに対して、良かったという声がたくさん見つかりました。
また、「友人の結婚式でベールダウンの演出を見て、自分もやりたいと感じた。」という、これから花嫁になる方が、ベールダウンに対して憧れを抱くような声も聞かれました。
ベールダウンの方法
続いてベールダウンを行う順序をご紹介します。
- 母親と向き合ったら花嫁は膝を曲げ、姿勢を低くします
- 後ろ側に流れているベールに母親が手をかけ、静かにゆっくりと、顔にかかるようにおろします
- 折れ曲がったり、よれてしまったりしていないかよく見ながら、真っすぐピンとベールが張るように整えます
花嫁への言葉かけを行う場合は、[3]のタイミングがベスト。
いままで育ててきた大切な娘の旅立ちに合う、素直な気持ちを言葉にして伝える母親が多いみたいですよ。
どのタイミングで行う?
タイミングとして二つあります。
- ブライズルーム(お支度部屋)
- バージンロードをあるき始める前
定番は挙式の開始直後に花嫁が父親とともにバージンロードを歩き始める前です。
扉が開き、父親と花嫁が腕を組んで登場した際に、母親はそのすぐ隣に控えておきます。
母親と娘、そしてこれからバージンロードを歩く父親という3人の姿を見つめながら、思わずぐっとくるゲストも多い演出です。
ただし、母親が緊張してしまう方や新婦とお二人の時間を大切にするならブライズルームも検討してみてはいかがでしょうか?
誰にやってもらう?
やはり定番は母親です。
母親という決まりはありませんが、やはり母親をおすすめします。
ただ何らかの事情で難しいのであれば、あなたが大切に思う人に依頼をしてみてはいかがでしょうか?
例えば、祖父母や兄弟姉妹など、「最後の身支度をお願いしたい」と心から思う人にベールダウンをお願いするのが良いと思いますよ。
ベールダウンは姿勢が重要
ベールダウンを美しくみせるために大切なことが体の軸を意識した姿勢を取ること。
写真にも残る演出になるため、姿勢が残念だと、後日写真を見返してから後悔してしまう可能性も…意識すべき『姿勢の三箇条』は次のとおりです。
- 背筋は真っすぐ、首や上半身だけが前のめりになるような姿勢はNG!
- 足がぷるぷるしたらカッコ悪いため足を前後にしてから膝を曲げるイメージで!
- 背が低い方にお願いするなら、それに合わせて花嫁の姿勢もぐっと低く!
ウエディングドレスで腰を落とすのはなかなか難しいかもしれませんが、コツさえ掴めば案外簡単にできるもの。残念な見た目になってしまわないよう、事前に練習しておくといいですよ。
まとめ
挙式の演出として定番化しつつあるベールダウンですが、改めて意味を知ると、なかなか感慨深いものがあります。
ベールダウンを終えたあと、新郎によってベールアップを行われる花嫁。前後のつながりがあることで、それぞれの演出がより引き立ちます。
姿勢については、普段あまり取らないような姿勢になり、しかもウエディングドレスで行うということもあってぎこちなくなりがち。イメージトレーニングをしてから本番を迎えてください。