結婚式で定番の賛美歌。
その中でも定番中の定番が312番・いつくしみ深きです。
今回は、日本だけでなく世界各国から愛されている『いつくしみ深き』の魅力をご紹介します。
いつくしみ深きの原曲
まずは『いつくしみ深き』の原曲『What A Friend We Have In Jesus』をご紹介します。
What a Friend we have in Jesus,
all our sins and griefs to bear!
What a privilege to carry
everything to God in prayer!
O what peace we often forfeit,
O what needless pain we bear,
All because we do not carry
everything to God in prayer.
Have we trials and temptations?
Is there trouble anywhere?
We should never be discouraged;
take it to the Lord in prayer.
Can we find a friend so faithful
who will all our sorrows share?
Jesus knows our every weakness;
take it to the Lord in prayer
いつくしみ深きの作詞者の過去
原曲の作詞者は、アイルランド人のジョセフ・スクライヴェン。
スクライヴェンは、結婚式前に婚約者を事故と病気で二度も失った過去がありました。非常に辛い経験の中で、自分本位のエゴ的執着からの愛ではなく、無償の愛を歌詞に込めて作られたのが『いつくしみ深き』です。
また、婚約者を失った同時期にスクライヴェンの母親は長く闘病生活をしていました。
「自分も苦しいけれど、母親も病と戦う苦しみに耐えている」
そんな母親を慰め、励ますためにこの『いつくしみ深き』を作ったともいわれています。
深い奉仕の愛と慈悲に満ちた賛美歌
イエス様を信じる心は、神を崇めることではなく、自分の心の中にある神と一体になることだと理解していたスクレイヴェンは、一生を不幸な人や貧しい人への奉仕へ捧げました。
キリスト教でいわれる『御心のままに』という言葉は、愛と奉仕で満ちています。愛と奉仕は、結婚式でパートナーに捧げる気持ちと同じものがあります。健やかなる時も、病める時も、共に生きていくという結婚の儀に歌われる『いつくしみ深き』には、深い奉仕の愛と、慈愛に満ちているのです。
日本語の「いつくしみ深き」
いつくしみ深きは、福音唱歌系の歌集に掲載され、その後は一般の礼拝用歌集に必ず収録されています。
いつくしみふかき ともなるイエスは
つみ とが うれいを とりさりたもう
こころのなげきを つつまず のべて
などかは おろさぬ おえる おもにを
いつくしみふかき ともなるイエスは
われらのよわきを しりて あわれむ
なやみ かなしみに しずめるときも
いのりに こたえて なぐさめたまわん
いつくしみふかき ともなるイエスは
かわらぬ あいもて みちびきたもう
よの とも われらを すてさるときも
いのりに こたえて いたわりたまわん
アーメン
参列者には歌詞カードの配布を忘れずに
キリスト教の教えの中にある「愛」とは恋愛の愛だけではありません。
人のことを我が事のように喜ぶことが出来ることも、自分の中の愛や幸せが育っているからです。いつくしみ深きには、
「新郎新婦の二人の未来は、時にはハプニングや様々なことが待ち受けているかもしれませんが、結婚式で愛を誓い合うふたりの未来が、どうぞ明るいものでありますように。隣の人をずっと愛して支えていけますように。」
という意味があります。そのためにも参列者の方にも歌ってほしいのです。賛美歌を詳しく知らない人でも、メロディーを聴けば思い出す人も多いため、ぜひ歌詞カードを配布して参列されたゲストの方にも歌っていただきましょう。
まとめ
今回は結婚式で定番の賛美歌である『いつくしみ深き(312番)』をご紹介しました。
新郎新婦が永遠の愛を誓う結婚式。
結婚式でパートナーに捧げる気持ちと同じ無償の愛を歌詞に込めて作られた『いつくしみ深き』は、まさに結婚式にぴったりの賛美歌です。意味を知ることで、結婚式当日の感動もより増すはずです。
ど定番といえば、いつくしみ深き(312番)ですが、その他にも『あいのみかみよ(429番)』や『いもせをちぎる(430番)』も結婚式で定番になっています。次回からは、429番と430番について魅力をご紹介していきます。