披露宴では、余興は定番の演出。
そのため余興なしでは「盛り上がりに欠けそう」と心配するのは当然のことです。
「余興なしで大丈夫かな…」
今回は、このような悩みがあるカップルに、- 結婚式はしたいけど、派手な余興は避けたい
- 余興なしで、おもてなし重視の結婚式がしたい
- 余興なしの代わりになるアイデア
余興なしの結婚式は「ゲストに喜んで欲しい」と思っているカップルにおすすめなんですよ。
余興なしのメリットとデメリット
余興ありに良いこともあれば、余興なしで良いこともあります。
そこで、まずは結婚式で余興をしないときのメリットとデメリットを紹介します。
余興なしのメリット
余興をしない結婚式は、おもてなしを重視したい新郎新婦さまにおすすめです。
ゲストとゆっくり過ごせる
余興をしない最大のメリットはゲストとのコミュニケーション時間を増やせることです。
余興時間は1組約10分程度。
新郎側と新婦側それぞれ1組ずつ余興をするパターンが多いので、約20分ほどのプログラムになります。では、披露宴の時間は何分でしょうか?
答えは約2時間30分程度。
さらに、披露宴の最初と最後は、挨拶や入退場のため、実質1時間30分が自由にプログラムを組める時間です。
20分あれば、ゲストの人数次第では全員と挨拶ができる時間に回すことができます。
「(新婦の)◯◯ちゃんと全然話せなかった…」
ゲストに良くある感想のひとつですよね。
もちろん写真だってゆっくり撮ることができます。
余興をしない代わりに、
ゲストとのコミュニケーション=演出
と考えれば大きな価値のある時間です。
ゲストに負担がかからない
余興を依頼されたゲストには多くの負担が掛かります。
- 結婚式本番に向けて、休日や仕事終わりに何度も練習を重ねる
- 結婚式当日は余興のリハーサルを行うため、他のゲストよりも早くに式場に行く
- 余興のために食事をする時間がない(緊張で食事が喉を通らない人も)
- 余興のため衣装に着替える場合は、30分以上も席を外されるゲストもいる
私が担当した結婚式では、
「私の出番、何時くらいでしたっけ?」
と、緊張のため、こわばった表情で時間確認されるゲストが何人もいました。
また、ゲストが楽しみにしている”お料理を楽しめていない”ゲストも数多くみてきました。
「大切な友達のために!」
と余興を引き受けるゲストは一生懸命準備をしてくださいます。
ですが、それに伴う負担があるのも事実です。
実は余興はなしの結婚式は、ゲストの負担がなく、結婚式当日リラックスして楽しんでいただけます。
料理を堪能できる
余興中、見守るゲストの皆さまは、料理の手を止める人がほとんど。
“余興を見ながら、料理を食べる”を失礼だと思われるゲストが多いからです。
前述の通り余興時間は約20分。
余興内容により、さらに時間がかかることがあり「温かい料理は、温かいうちに」が叶わないこともあります。
もちろん披露宴の進行は、料理のタイミングと余興内容や前後の進行内容を考えてプログラムを組みます。しかし、想定外に余興時間が伸びることは少なくありません。
余興なしの結婚式は、ゲストに楽しんでいたける”料理”や”おもてなし”重視の新郎新婦さまにおすすめのウェディングスタイルでもあります。
余興なしのデメリット
ここまではメリットでしたが、余興をしないデメリットもあります。
事前にデメリットを知っておけば、回避できることもありますよ。
余興を“するつもり”なゲストがいる
あなたには、会社や職業柄で恒例になっている余興に心当たりはありませんか?
例えば、職業柄の代表的なところだと、
- 消防士さん
愛の消火活動 - CAさん
寿アナウンス
新郎新婦さまの職業が上記なら、私が担当した結婚式では必ず行われていた余興でした。
恒例の余興がある場合、新郎新婦さまからお願いをしなくても、結婚式に招待した時点で、余興の準備をしている可能性もあります。
そのため余興なしの結婚式では練習を無駄にさせてしまうかもしれません。
余興なしに驚くゲストも…
「結婚式では余興はあるもの」
と思っている年配ゲストもいます。
そのため余興のない結婚式に違和感を感じるゲストがいる可能性も…
そのため余興なしの結婚式では、ウェルカムスピーチで結婚式に対する新郎新婦さまの思いをしっかり伝えることが必要です。
※ウェルカムスピーチとは、披露宴開始後すぐに新郎新婦さまが行うスピーチのこと
ウェルカムスピーチを行う目的は以下の3つです。
- 今日出席してくださったことへのお礼
- 無事挙式を済ませることができた報告
- 披露宴へ込めたふたりの思い
この3つ目の『披露宴へ込めたふたりの思い』のところで、思いを伝えます。
【スピーチ文例】
私たちの結婚式は、これまでお世話になってきた皆さんへの感謝の気持ちを込めて、おもてなしを大切にした時間にしたいと考えています。そのため余興や演出は少なくし、皆さんとゆっくり会話ができる時間を設けたいと思っています。今日は美味しい食事を召し上がっていただいて、楽しくゆったりとした時間をお過ごし頂ければと思います。
余興がないことを伝えることで違和感を払拭し、さらにゲストのことを大切に思っている気持ちが伝わります。
時間を持て余してしまうかも
余興をしないといっても、他の演出がなければ間延びの原因になります。
そのため、2時間30分の中に、
- 間延びしない程度のタイミングで
- ゲストにも負担をかけない演出を
- 適度に入れる
ことが大切。
ポイントは3つの要素を含んだ演出を取り入れることです。
余興なし結婚式の間延びを防ぐ3つの要素
余興なしの結婚式で間延びを防ぐ重要ポイントは、
- 和み
- 感動
- 盛り上がり
の3つの要素が必ず含まれていることです。
和み
『和み』とは食事歓談の時間。
ゲストがゆっくり食事を堪能し、会話を楽しむリラックスできる時間です。
感動
『感動』とはゲストも涙するシーン。
結婚式はシンプルにしたいからと、演出は避けて『花嫁の手紙』もやらないかと考える花嫁さまもおられます。
しかし、『花嫁の手紙』は、新婦さまのご両親が期待されるのもたくさんみられます。余興や演出を少なくした披露宴でも、花嫁の手紙だけは取り入れることを強くおすすめします。
和やかな結婚式も、披露宴後半部分に『感動』の要素が含まれることで、ゲストにも感情の抑揚が生まれ、より一層思い出に残る結婚式になります。
盛り上がり
『盛り上がり』は演出のこと。
結婚式を華やかに、そして適時に盛り上げるためには、やはり演出は重要なスパイス。
ゲストに負担をかけないように余興をなくしたいなら…
- 間延びしない程度に演出を入れる
- ゲストに準備の負担をかけない演出を選ぶ
- 会話が楽しめる工夫のある演出
この3つのことを意識しながら、演出を取り入れてみましょう。
余興なしの結婚式におすすめの演出
では、どんな演出をどのタイミングで入れることがベストなのかをさらに詳しく解説します!
ケーキカット
結婚式の定番演出であるケーキカット。会場内が華やかになるので、余興がない結婚式でもぜひ取り入れてほしい演出です。
おすすめのタイミングは披露宴の前半。
ケーキカットでは、ゲストが写真を撮りにケーキ前に移動をしてくれます。動くキッカケを作ることで、ケーキカット後もゲストが席を立ちやすい雰囲気になります。
実際にケーキカット後は、メインテーブルにお酒をつぎにいくゲストもグンと増えるんですよ!
お子さまのいる結婚式なら、ケーキをワゴンに乗せて運ぶ演出もおすすめ。お子さまゲストが登場する演出は、会場内が笑顔に包まれとてもアットホームな空間になります。
プロフィールムービー
ムービー演出は、ゲストに一切の負担をかけない演出です。
プロフィールムービーのタイミングは、何を目的にに使うかで判断するのがおすすめです。
- 盛り上げたい
新郎新婦さまが入場する前のオープニングムービーとして流す - 感動シーン
花嫁の手紙の前。手紙前に小さい頃を振り返る機会があれば、当時の思い出がよみがえり、花嫁さまが読む手紙は一層感動に包まれます。
少人数婚なら、ゲストの写真を事前に集めて『ゲスト紹介』もおすすめです。コメントは、新郎新婦さまからゲストへメッセージを伝えるとプチサプライズになります。
テーブルインタビュー
テーブルインタビューとは、司会者がゲストにインタビューをする演出です。
ゲストへスピーチ(祝辞)をお願いすると、
- 事前に文面を考える時間
- 大人数の前で話す緊張
など少なからず負担を掛けてしまいます。
ですが、テーブルインタビューなら事前準備が必要なく、ゲストもリラックスした環境でお話ししていただくことができます。
ゲストに聞く内容は、司会者との打ち合わせで伝えておけばOK。
『テーブルインタビュー』を入れるタイミングは、披露宴の中盤から後半にかけてがベストタイミングです。
少しお酒も進み、和やかな雰囲気になったタイミングぐらいが、話す側も聞く側もリラックスした雰囲気の中で楽しむことができます。
新郎新婦さまもマイクを持って、インタビューされるゲストと司会者と掛け合いをしながらのインタビューも笑いがたくさんあって盛り上がりますよ!
デザートブッフェ
デザートブッフェは、同じテーブル以外の人と話す機会ができる演出です。
また、コーディネート次第でも会話のキッカケになります。
- デザートを並べるテーブルに、お二人の写真を置く
- フラッグのついたペーパーストローやマドラー、ガーランドで飾る
など、ぜひコーディネートも楽しんでみてください。
デザートブッフェは披露宴後半のタイミングがベスト!
お色直しが終わったあとは、デザートブッフェ以外の演出はなしぐらいでもOKです。ゲストとゆっくりくつろぐ時間をデザートブッフェとして、20分くらいは確保しておきたいところです!
ポイント新郎新婦さまも積極的にデザートブッフェに参加して、ゲストとの会話を楽しむようにしましょう。気取りのないおふたりの様子は、ゲストにも好印象に映るはず!
テーブルラウンド
テーブルラウンドは、新郎新婦さまがゲストテーブルを回る演出です。
- 各テーブルごとに写真を撮る『フォトラウンド』
- 瓶にフルーツを入れてもらう参加型演出『果実酒作り』
- プチギフトを配る『プチギフトサーブ』
などがテーブルラウンドの中でも人気!
実は新郎新婦さまにとっても、ゲストの方にとってもメリットがある演出です。
- 新郎新婦さま
ゲスト全員と会話ができる - ゲスト
自分のテーブルの番まで、ゆっくりと食事や会話を楽しむことができる
取り入れるタイミングは披露宴の中盤くらい。
コース料理の前菜やスープが終わったあとの、ゲストがほっと一息ついているくらいのタイミングがおすすめです。
もしも披露宴後半に何も演出がなけえれば後半でもOK!ゲストがデザートを楽しんでいるくらいでも和やかな雰囲気になっていて楽しめます。
まとめ
- 余興なしの結婚式は、ゲストに負担がかからず食事・歓談を楽しめる
- 余興をしないならウェルカムスピーチで”披露宴への想い”を伝える
- 恒例の余興がある消防士さんやCAさんは早い段階で同僚に余興がないことを伝えると良い
- 間延びを防ぐポイントは和み・感動・盛り上がりの3つ
- 余興なしの結婚式におすすめの演出は、ケーキカット・プロフィールムービー・テーブルインタビュー・デザートブッフェ・テーブルラウンドの5つ
料理を堪能し、ゆったりとした時間で心地よく会話を楽しみ、時に感動。
と”余興なし”でもゲストの五感を満たし「今日の結婚式、良かったね」と思っていただける結婚式は工夫次第で叶えることができます。