日本では、吉日(きちじつ)という言葉があるように、何かをするときに『縁起が良い』とされている日があります。
挙式日で言えば大安や友引は人気で、仏滅の日に比べて費用も高いほどです。(仏滅割引というものもあります)
結納の日取りを決める際にも大安や友引を厳格に守った方がいいのでしょうか?
今回は結納のスケジュールや日取りの決め方をご紹介します。
結納は結婚式のどれぐらい前にするの?
略式と正式では結納式のスケジュールも少し変わってきます。
略式結納のスケジュール
略式結納は、両家顔合わせと兼ねて行われることが多いです。
そのため結婚式から、さかのぼって7ヶ月~9ヶ月前に結納を行うようにしましょう。
結婚式場は新郎新婦が気に入ったところで決めるのが一般的。
しかし、結婚式全体のことになると両家の両親にこだわりがあることも。
挙式日から7~9ヶ月ほど時間に余裕があれば、スケジュールに余裕があるので、満足のいく準備ができるはずです。
正式結納のスケジュール
正式結納は、略式と違って仲人を立てます。
そのため略式よりも時間的な余裕をみておくと良いでしょう。
結婚式の9ヶ月~1年前のスケジュールで進めるとスムーズです。
正式結納の結納式では、仲人が両家を行き来し、結婚式に向けての両家の希望をすり合わせていくこともあります。
もちろん両家が顔合わせをしてお食事をされる機会もありますが、両家で言いづらいことは仲人が間に入って伝えることがあるので、全体的な準備時間は多少長くしておくと良いですよ。
結納はこのタイミングで行わなければならないという正式なルールはありません。しかし、結納が遅れると、その後のスケジュールも遅れバタバタと挙式を迎えることに。
正式でも略式でも余裕を持った日時設定を心がけると結婚式の準備に時間を使えます。
略式なら最低でも7ヶ月前、正式なら最低でも9ヶ月前に結納をすませるようにスケジュールを立ててみてください。
結納に良い日取りとは?
日本では昔から縁起が良いと言われる日があります。
例えば、カレンダーには大安吉日(たいあんきちじつ)や仏滅などの言葉をみたことがありますよね?
以下では具体的におすすめの日をご紹介します。
六曜の考え方でおすすめの結納日
カレンダーでよく見かける「大安」「仏滅」などの日柄を六曜といいます。
六曜とは?
出典:wikipedia 六曜
日本では、暦の中でも有名な暦注の一つで、一般のカレンダーや手帳にも記載されていることが多い。今日の日本においても影響力があり、「結婚式は大安がよい」「葬式は友引を避ける」など、主に冠婚葬祭などの儀式と結びついて使用されている。
ようするに、その日の吉凶や運勢の参考になるものです。
名前のとおり6つの日がありますので、それぞれの日柄の特徴をご紹介します。
大安(だいあん/たいあん)
結婚式で一番人気の高いお日にち。
結納式など全ての慶事に吉とされています。
六曜の中では最も”良い日”とされています。
友引(ともびき)
大安の次に良き日とされています。
「良いことは友を引く」と言われており、結婚式では大安の次に人気の高い日です。
先勝(さきがち)
漢字に当てはめられているように午前中が吉とされています。
結納式は午前中に設定されることが多いので、十分にふさわしい日と言えます。
先負(さきまけ)
先勝ちの逆で、午後からが良いとされています。
しかし、字の中に「負」が入っているため、できれば慶事は避けたほうが良いでしょう。
赤口(しゃっこう)
新しいことは慎むべき日と言われています。
結婚式・結納・両家の初顔合わせは避けたほうが良いかもしれません。
仏滅(ぶつめつ)
大安の反対の日になります。
仏が滅ぶ、とされる日には何事も慎むべきと考える人も少なくありません。
六曜の考え方からすると、大安・友引・先勝までが結納式にはふさわしい日取りです。
十二直の考え方でおすすめの結納日
続いて、六曜を更に掘り下げると、十二直という考え方があります。
読んで字のごとく、十二種類のお日柄があるわけですが、ここでは大きく慶事にふさわしいお日にちを紹介します。
建(たつ)
事始めに良い日と言われています。
もちろん婚礼に関する行事にはぴったりです。
満(みつ)
全てが満ち溢れると言われています。
幸せいっぱいの婚礼には吉です。
平(たいら)
物事が平等に円満に成就する日です。
婚礼には大吉です。
定(さだん)
物事が定まる日とされていますので、縁談・お祝い事に吉です。
執(とる)
万物を裁決する日とされています。
成(なる)
全てが上手くいく日です。
婚礼はもちろん吉ですが、中でも結納に一番相性が良い日だと思います。
開(ひらく)
運が開くとされる日です。
もちろん婚礼に吉。
以上が、お祝い事にふさわしい十二直の日取りです。
その他の結納に向いている日
六曜や十二直以外にも縁起が良いとされている日があります。
天赦日(てんしゃび)
年に5~6回ぐらいしかない吉日です。
Wikipediaによると、
この日は、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、最上の大吉日である。そのため、天赦日にのみ「万(よろづ)よし」とも注記される。 出典:wikipedia 天赦日とされています。
分かりやすく解釈をすると「百の神が何でも許してくれる日」です。 日本の暦上では最上の吉日とされており、大安よりも良い日とされています。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
月に4~7回ほどあります。
名前から想像がつく方もいると思いますが、ひと粒から万倍になるとされている日です。
比較的多い吉日のためスケジュールをたてやすいかもしれません。
六曜や十二直などに合わせて考えると、本当に良いとされる日は少なくなります。 あくまで目安としてスケジュールをたててみてはいかがでしょうか?
尚、結納や挙式日を決める方は大安カレンダーのサイトでも確認ができます。
※参考:2018年 大安カレンダー
より詳しく知りたい方は有名な高島暦がおすすめです。
この表紙を「見たことがある」という方も多いのではないでしょうか?
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お祝い事に向いている時間帯
基本的には両家のご都合に合わせて時間を設定すれば問題ありません。
例えば、遠方からお相手が来るのに、午前の早い時間に開催するのは親切ではありません。
しかし、特段の理由がない限り、お祝い事は午前中に行なったほうが良いとされています。
電車で集まることができる距離であれば、午前10時や11時から結納式を始めて、そのまま昼食を兼ねた食事会を開くのが一般的。
新郎新婦、または仲人が両家のバランスをよく考えて無理なく、ゆっくりと過ごせそうな時間を選択しましょう。
結納に向かない日
六曜や十二直の解釈でいえば、結納にふさわしい日取りがある一方で不向きな日も存在します。
六曜・十二直の考え方で不向きな日
六曜 | 先負・赤口・仏滅 |
---|---|
十二直 | 除・破・納・閉・危 |
上記は一般的な解釈でいうと慶事に不向きです。
しかし、一方で仏滅は『物が一旦滅び、新たに物事が始まる』ことから、大安よりも物事を始めるのに良い日という解釈もあります。
要するに、新郎新婦とご両家で納得するのであれば、必ず吉日を選ぶ必要はないということです。
ただし、結婚式に限っていえば大安などの吉日を選ぶことをおすすめします。
ゲストの中には六曜の考え方を重視する人もおり、非常識な新郎新婦と思われる可能性もあるからです。
避けた方が無難な季節
季節でみると台風の多い時期(7~9月)は気を付けましょう。
その他に、梅雨や真夏日などは意識的に避けたほうが無難です。
とはいえ挙式までのスケジュールもあります。
絶対に外すべき季節はありませんが、可能なら避けた方が良い日になります。
イベントに注意を!
最近の結納(略式)は、ホテルや料亭で行なうことが多くなっています。
そこで気を付けたいのが、結納日に近隣で大きなイベントがないか?です。
渋滞が起こりそうなことがないかを事前に調べておきましょう。
結納式を兼ねた両家の顔合わせで遅刻することほど失礼なことはありません。
また、ホテル内でイベントがあれば、騒がしい中での結納になる可能性もあります。
結納にふさわしい日取りのまとめ
- 結納日は新郎新婦と両家で納得すれば必ず吉日を選ぶ必要はない
- 縁起を重視するなら大安・友引・先勝、建・成、天赦日を選ぶと縁起が良い
- 時間帯は可能なら午前中が祝い事に良いとされる
- 台風の多い季節は可能なかぎり避けると良い
- 結納日当日に実施先のホテルや料亭周辺で大きなイベントがないか事前確認をする
結納式は新郎新婦の婚約を口約束だけではなく、正式なものにする大切な儀式です。
近年では、昔のような仲人を立てた形で行なう新郎新婦は減ってきていますが、結納は両家の結びつきを確かなものにする最初の行事。
略式であれ正式であれ、しっかりとスケジュールをたてて結納の日取りを決めることをおすすめします。