結納は、日本古来からの伝統的な風習です。
地域により違いはありますが、縁起が良いとされる5~9品の結納品が男性側から女性側に贈られます。
そのうちの一つである結納金は女性が嫁ぐ際の支度金として贈られるもの。
支度金といってもどのように使うものなのか、誰が使い道を決めるのかなど悩む新郎新婦も少なくありません。
結納金の使い道例
結納にはマナーや結納品の種類などルールがありますよね。
結納金の使い道にも決まりがあると思われがちですが、実はルールはありません。
具体的に、どのような使い道があるのか先輩カップルの例を参考に紹介します。
結納返し
男性側が納めた結納に対するお礼として、女性側が「こちらこそよろしくお願いします」という意味を込めて現金や記念品をお返しするのが結納返しです。
結納返しの相場は、結納スタイルの関東式と関西式で大きく異なります。
西日本(関西式) | なしor1割程度 |
東日本(関東式) | 半返し(5割程度) |
ただし、これは昔ながらの風習です。
現在では、結納返しの金額を新生活の費用にしたり、結婚資金にするなど両家で話し合って決めるカップルが増えているようです。
結納返しは何をわたす?
時計やスーツなどの品物、現金などです。
ゼクシィ結婚トレンド調査によると6割が現金または品物でした。
品物は時計やスーツの人気があります。
スーツが人気なのも昔からの名残が影響しています。
結納返しでは『御袴料』という名目で、女性側から男性側へ結納金を納めます。
御袴料とは、男性用の袴を仕立てるお金という意味で、そこから転じて現代では記念品としてスーツ仕立代になっています。
両親が気にしないなら慣習にとらわれる必要はないよ。ビジネスバッグや電化製品、日用品など新郎さまの好みに合わせて記念品を贈れば、長年愛用することもできて実用的だね。
結婚準備費用にあてる
結婚式費用を親から援助してもらう人は少なくありません。
しかし結婚式は、平均約355万円もかかるため、 カップルもおります。
歴史的にみても結婚準備費用に使うことは、おかしくありません。
昔は「女性の結婚支度に使って下さい」と花嫁さまの家に対して、着物や反物などの現物が贈られていました。
つまり元々は花嫁衣装や帯などの女性の結婚支度のお金です。
ウェディングドレスやブライダルエステなど女性にかかる費用は、男性よりも大きいため結納金の使い道としては賢い方法の一つといえそうですね。
電化製品や家財道具をそろえる
結婚にかかる費用は結婚式だけではありません。
これから始まる、お二人の新生活にもお金がかかります。
- 新居の初期費用や引っ越し代
- 冷蔵庫や洗濯機などの家電製品
- ベッドやテーブルなどの家具類
「一人暮らしだから家具や家電製品はある」
こんな風に思うかもしれませんが・・・
お二人で暮らす場合、一人暮らし用だと何かと不便を感じることが少なくありません。
全て買うとなると100万円オーバー。
最初から全て揃える必要はありませんが、最低限の家財道具は揃えておく必要があります。
新生活にかかる出費を少しでも結納金でカバーできれば、今後の新生活を快適に過ごせるはずです。
新婚旅行
新婚旅行は一生に一度のビッグイベント!
国内でゆっくり羽を伸ばすもよし、海外ハネムーンに憧れている花嫁さまも多いと思います。
どうせなら豪華にいきたいところですよね。
新婚旅行の一部を、両親からのお祝いという意味も込めて結納金を使わせてもらうことも間違いではありません。
両親にはしっかりと奮発したお土産を買って、感謝の気持ちを伝えよう。
将来に向けて貯金
結婚式はゴールではなく
新生活では、さまざまな出費があり、子供が生まれると育児費用や教育資金も必要になったり、憧れのマイホームを建てる人もいると思います。
結納金を将来に向けて貯金しておくのは堅実な考えがあるからこそできること。
結婚式の費用は限られると思いますが、将来に向けた蓄えがあると安心です。
親へのプレゼント
花嫁さまの両親が「結納金は好きに使っていいよ」という場合にオススメの方法です。
温泉旅行や豪華な食事、記念品などを贈るときっと喜んでもらえるはず!
今すぐでなくても、結婚式の周年記念に家族旅行をすれば、ご両親も思い出に残るはずです。
他の使い道を選んだとしても、一部を残して両親にプレゼントを贈るのはオススメだよ。育ててくれてありがとうの感謝の気持ちを込めて贈ろう。
地域による結納金の使い道の違い
結納には、関東式と関西式があります。
結納に風習の違いがあるように、結納金の使い道も地域ごとに違いがあります。とくに違っているのが結納返しに対する考え方です。
関東式と関西式
結納返しでも説明したとおり結納返しの金額は関西式と関東式で異なります。
- 関東式(関東より東の地域)
両家を同格とみなす考えがあるため、結納金でいただいた金額の半分、いわゆる『半返し』として男性側に包んでお返しする習慣があります。
- 関西式(関西より西の地域)
男性側が格上という考えがあるため、金銭的な負担は男性側が持つという慣習があります。女性は後日、日を改めて結納金の1割程度を、男性の家へ持参します。
関西の中でも地域によっては結納返しの慣習自体がなく、結納金は花嫁道具を揃えるためのものと考える地域もあるよ。
新郎新婦さまの出身地が東西で違う場合
出身地が同じなら話はまとまりやすいはず。
しかし出身地が関東と関西で違うなら、どちらかのやり方で一方的に結納を進めると、関係性に影響がでる可能性もあります。
結納返しの金額相場や結納金なしの地域があることを、新郎新婦さまから両親へ伝えておくのがオススメです。
結納金の使い道は誰が決めるの?
本来、結納金の使い道を決める権利は
です。結納金は、あくまでも『家』に納めたもの。
つまり結納金の使い道は、花嫁さま本人ではなく女性側の両親の意向に従うのが一般的な考え方になります。
花嫁さまは両親と話し合うことが大切です。
1分で振り返り
この記事のまとめ
結納金の金額は大金です。
花嫁さまの両親から「二人で使っていいよ」と言われたら、使い道は新郎新婦さま同士で話し合うのがオススメです。