招待状の差出人

結婚式招待状の差出人は、一般的な手紙と違い、さまざまな意味があります。

差出人を誰にしたかで両家両親や親戚と揉める先輩新郎新婦さまも…そんなことが起きないように今回は、招待状の差出人の決め方や名義別の本文例を紹介します。

招待状の購入前にチェックしないと招待状を再作成することになるため損をしたくない方はチェックしましょう!

結婚式招待状の差出人

差出人を辞書で調べると、荷物や手紙などを差し出す人となっています。

「じゃあ、差出人はわたしたちの名前だね」

とならないのが結婚式のしきたり。
結婚式で送る招待状の差出人は、一般的な手紙とは意味が異なります。

差出人≒結婚式の主催者

昔は”結婚は家と家との結びつき”という考えで差出人は新郎新婦のご両親でした。
しかし、最近では”差出人は結婚式の主催者”が一般的になっています。

「結婚式の準備は自分たちがやってるから主催者は新郎新婦だね!」

このような安易な考えは両家の関係性にも影響するためNGです!
主催者の考え方は、非常に複雑で、

  • 招待ゲスト
  • 費用援助の有無
  • 家ごとの考え方

などで異なるため両家両親への相談は必須
また、現在も『招待状の差出人は両親が当たり前』と考える人も少なからずいるため、やはり両家への相談は必要です。

差出人の決め方

招待状の差出人名義は大きく分けて下記の3パターンがあります。

  • 新郎新婦名義
  • 両親名義
  • 親子連名

では、どのように差出人を決めればいいのでしょうか?
両家両親への相談は大前提として、主催者別の特徴を紹介します。

差出人が新郎新婦名義

  • 招待ゲストは新郎新婦さまの知人が多い
  • 人前結婚式、会費制結婚式、カジュアルパーティーの形式
  • 結婚式費用のほとんどを自分達が用意する
  • 両家の両親に了解が取れている

最近の結婚式では新郎新婦さまが主催者になることが多いです。
しかし、事情は家庭により異なるため、事前に両家両親へ了承を得るようにしましょう。

差出人が両親名義

  • 伝統や格式を重んじる結婚式にする
  • 親戚など親子でお世話になったゲストを多く招く
  • 多額の資金援助を両親から受けて結婚式をする
  • 招待ゲストに両親の知人も多い

両親名義では両親の名前を書くのではなく、新郎新婦両家の父親のみ(父親がいない場合は母親)を差出人として連名で書きます。

差出人が親子連名

  • 上記2パターンの折衷案

ゼクシィ 結婚トレンド調査2018調べによると76.5%の新郎新婦さまが両親から金銭的な援助を受けています。
そのため感謝の気持ちを込めて”両親の顔を立てる”という意味で連名にする方も多いです。

親子連名では招待状の差出人の書き方が、

  • 新郎新婦主体
  • 両親主体

の2つのパターンがあります。
記載方法は、例文付きで後程します。

差出人を決める時期

招待状の差出人を決める時期は挙式の約4カ月前が目安です。

なぜ4ヶ月も前に決めないといけないのでしょうか?

理由は、差出人で招待状本文が変わるから。
差出人が決まらないと招待状本文は作成できません。招待状は、挙式日を基準にして、

  • 2~3ヶ月前に発送
  • 1~1.5ヶ月前が返信期限
  • 1ヶ月前にゲスト確定

が理想的なスケジュール。
制作期間を含めて逆算すると4カ月前に差出人が決まるとスムーズに準備ができます。

差出人によって変わる招待状の本文

招待状の本文は差出人により4パターンに分かれます。それぞれ、どのように変わるかを簡単に説明すると、

  1. 新郎新婦名義
    私たちの結婚式にお越しください
  2. 両親名義
    子どもたちが結婚することになりましたので式にお越しください
  3. 親子連名(新郎新婦主体)
    [新郎新婦さまが]私たちの結婚式にお越しください[という文章のあとに両親から]子どもたちが結婚することになりましたので式にお越しください
  4. 親子連名(両親主体)
    [ご両親から]子どもたちが結婚することになりましたので式にお越しください[という文章のあとに新郎新婦さまから]私たちの結婚式にお越しください

連名の差出人は、主体者の文章を先にします。以下では、具体的に差出人別の本文例を紹介します。

※招待状の文章は句読点を使わないのがマナーのため例文でも句読点は使っていません

新郎新婦名義の例文

新郎新婦名義の招待状例文

※入籍済の場合は新婦の名字は書かずに名前だけ記載します

↓コピー用にお使いください↓

謹啓 早春の候 皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます
かねて婚約中の私たちは
このたび 結婚式を挙げることとなりました
つきましては 日頃お世話になっている
皆様に 感謝の気持ちを込めて 小宴を催したく存じます
ご多用中誠に恐縮でございますが
何卒ご臨席賜りますようご案内申し上げます
謹白

令和◯年◯月吉日
[新郎・姓名]
[新婦・名前](旧姓 新婦・名字)

両親名義の例文

両親名義の招待状例文

※父親がいないときは母親になります

↓コピー用にお使いください↓

謹啓 早春の候 皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
さて このたび
[新郎父・名前] 続柄男 [新郎・名前]
[新婦父・名前] 続柄女 [新婦・名前]
の婚約が相整い 結婚式を挙げることとなりました
つきましては 幾久しくご懇情を賜りたく
披露かたがた粗餐を差し上げたく存じます
ご多用中誠に恐縮でございますが
何とぞご臨席賜りますようご案内申し上げます
謹白

令和◯年◯月吉日
[新郎父・姓名]
[新婦父・姓名]

親子連名(新郎新婦主体)の例文

親子連名(新郎新婦主体)の招待状例文

↓コピー用にお使いください↓

謹啓 早春の候 皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます
かねて婚約中の私たちは
このたび 結婚式を挙げることとなりました
つきましては 日頃お世話になっている
皆様に 感謝の気持ちを込めて 小宴を催したく存じます
ご多用中誠に恐縮でございますが
何卒ご臨席賜りますようご案内申し上げます
謹白

令和◯年◯月吉日
[新郎・姓名] [新婦・名前](旧姓 新婦名字)

ご多用のところ誠に恐縮ではございますが
二人のために励ましをいただきたいと存じます
ご来臨の栄を賜りたく 心よりご案内申し上げます
[新郎父・姓名] [新婦父・姓名]

親子連名(両親主体)の例文

親子連名(両親主体)の例文

↓コピー用にお使いください↓

謹啓 早春の候 皆様におかれましては
益々ご清祥のことと お慶び申し上げます
さて このたび
[新郎父・名前] 続柄男 [新郎・名前]
[新婦父・名前] 続柄女 [新婦・名前]
の婚約が相整い 結婚式を挙げることとなりました
つきましては 幾久しくご懇情を賜りたく
披露かたがた粗餐を差し上げたく存じます
ご多用中誠に恐縮でございますが
何とぞご臨席賜りますようご案内申し上げます
謹白

令和◯年◯月吉日
[新郎父・姓名] [新婦父・姓名]

ご案内の通り私たちは結婚することとなりました
おいそがしいところ恐縮ではございますが
ぜひ ご出席くださいますようお願い申し上げます
[新郎・姓名] [新婦・名前](旧姓 新婦・名字)

上記のように差出人が変わるだけで招待状本文の文面も大きく変わります。
後から作り直しということにならないように、招待状作成前に差出人を決めておくことが大切です。

封筒の差出人

差出人の記載は招待状本文の他に封筒裏面にもあります。
続いては封筒の差出人マナーを紹介します。

基本的に差出人は統一

一般的に、

  • 招待状本文の差出人
  • 封筒裏面の差出人

同じにするのがマナー
招待状の差出人を両親名義にしたら、封筒の差出人も両親名義です。

なお、差出人の郵便番号は省略しても問題ありません。バランスをみて判断してみてくださいね。

両親名義

招待状の差出人・両親名義 東京都大田区鵜の木4丁目2番地1号
田中 徹也
神奈川県川崎市高津区子母口1丁目16番地3号
山口 克典

新郎新婦名義

新郎新婦さまが名義の封筒は入籍をしているかで異なります。

入籍済
招待状の差出人・新郎新婦(同居&入籍済) 神奈川県横浜市栄区長沼町4丁目1番地
田中 誠也
   詩織(旧姓 山口)
同居中(未入籍)
招待状の差出人・新郎新婦(未入籍・同居) 神奈川県横浜市栄区長沼町4丁目1番地
田中 誠也
山口 詩織
住所が異なる
招待状の差出人・新郎新婦(未入籍・同居していない) 神奈川県横浜市西区南軽井沢4丁目19番地
田中 誠也

神奈川県横須賀市追浜本町1丁目4番地
山口 詩織

※新郎新婦さまが同居していない場合、どちらかの住所だけを記載しても問題ありません。

ゲストに応じて差出人を変える

両親が差出人だと、ひとつ問題があります。

「上司や同僚は差出人が両親だと誰か分からないのでは?」

職場のゲストに招待状を郵送するなら、

  • 新郎新婦名義の招待状
  • 両親名義の招待状

の2パターン作成して送り分けるのがおすすめです。
封筒の差出人だけを新郎新婦に変えるのではなく、本文も変更して準備します。

二種類の招待状を作ることになるため、手間がかかります。また、注文先が非対応や別注文となることが多いため予め確認しておくと良いでしょう。

返信ハガキの返送先と差出人について

主催者の名前を記載する箇所は本文と封筒以外に、もう一箇所ありますよね?

ゲストの返信ハガキです。
返送先はどのようにすることが望ましいのでしょうか?

集計が便利な返送先にする

返信ハガキの返送先は差出人と違っても問題ありません。

返送先を両親にすると当たり前ですが両親の自宅へ届きます。
実家暮らしではない新郎新婦さまは、挙式前の忙しい時期に集計に手間がかかります。ゲストから返信ハガキが届く時期は挙式1ヶ月前ぐらい。そこから席次表や席札、引き出物選びが始まるため非常に忙しい時期です。

また、返信ハガキの宛名は差出人ではないためマナー違反にもなりません。

返送先の宛名で多いパターンは、

  • 新郎ゲストは新郎、新婦ゲストは新婦
  • 全ゲスト共通で新郎

という形です。
もちろん上記以外の形でも問題はありません。

まとめ

  • 招待状の差出人は結婚式の主催者にする
  • 差出人は新郎新婦名義が一般的
  • 両親からの多額の援助がある時や両親関係のゲストが多い場合は両親名義を検討
  • 差出人の名義によって招待状の文面が変わる
  • 招待状と封筒の差出人は同一にする
  • 返信ハガキの返送先は差出人と同一である必要はなし

招待状や封筒裏面の差出人は漠然と新郎新婦と思っている方も意外と多いようですが、親世代の方は結構気にする人も多いので事前に了解を得た上で決めていくとスムーズですよ!