披露宴でビールを注ぐのは楽しい

結婚式は、これまで支えてくださったゲストのみなさまへこれまでの感謝を伝える場。

「あの子たちの結婚式って、これまで行ったことのない素敵な結婚式だったね」

こんな風に振り返ってもらうために、最大限のおもてなしをしてアットホームな結婚式を実現しませんか?

『アットホームな結婚式』を目指す花嫁さまは多いですが、作り方となれば難しく考えてしまう方も多いです。

そこで、今回は元プランナーが実際に新郎新婦さまへご提案していたアットホームウエディングの作り方をご紹介します。これから、結婚式の準備をすすめられるプレ花嫁さまの参考になりましたら幸いです。

アットホームな結婚式を目指すために

アットホームな空間を作り上げる上で、キーワードになるのが『おもてなし』です。

結婚式に参列してくださるゲストのみなさまへ、最大限のおもてなしをするためのポイントとは?

新郎新婦はホスト、主役はゲスト!

おもてなしを重視したアットホームな結婚式を目指すなら『主役はゲスト』として考えましょう。

本来、結婚式の主役といえば新郎新婦さま。
ですが、その主役自らがホスト役に徹しゲストをもてなす側にまわるイメージを持つことは、これからアットホームウエディングのベース作りになります。

これから作り上げる結婚式は「ゲストのため!」と心づもりをして結婚式準備をすすめてみてください。

見るではなく“感じる”演出を中心に

結婚式の招待ゲスト

結婚式を盛り上げる要は『演出』です。
演出といえば、新郎新婦にスポットがあたり、華々しいイメージがあると思いますが、アットホームな雰囲気の結婚式の場合は“見せる演出”は極力控えます

その代わりにご提案するのは…
ゲストに心地よくなる“感じる演出”です。

特に『会話』というコミュニケーションは重要演出のひとつ。新郎新婦に注目が浴びるばかりの“見せる演出”に使っていた時間は、新郎新婦自らがゲストの元に出向いて、会話を楽しむ時間に置き換えてみてください。

談笑する新婦とゲスト

これまでの結婚式によくあった、

「結婚式には行ったけど、新郎新婦と話せたのは『おめでとう』『ありがとう』だけだった」

なんて寂しい思いもさせません。
気取りのない新郎新婦さまの雰囲気にゲストからの好感度もアップしますよ!

アットホームな演出は五感を満たす

高砂

アットホームな雰囲気を作るためには、五感を満たすことも重要です。

ナチュラルなお花に囲まれた披露宴会場に、会場内にふんわりと漂う食欲そそる匂い、色鮮やかな美味しいお料理。そして、美味しいお料理をゆっくり堪能できる余裕のある演出スケジュール…

結婚式の料理(前菜)

様々な角度からゲストがリラックス出来る環境を提供することで、ゲスト同士さらには新郎新婦おふたりとの会話も弾み、自然とアットホームな空間が生まれます。 そのために大切なことは、結婚式の中でおこなう演出の内容と、お料理を楽しんでいただく仕組みです。

では、実際にアットホームな結婚式になるようにどのような演出がおすすめなのか?

具体的に紹介させていただきます。

アットホームウエディングを実現する10のプラン

結婚式において、アットホームな空間を作るためには、小さなおもてなしの積み重ねが重要です。

以下ではアットホームウエディングをつくる10個のプランを紹介していきますね。

※各演出については、式場によって対応の可否が異なるためプランナーさんに事前確認しましょう。

お出迎えスタイルにこだわる

扉

まずは披露宴のはじまりのシーン。
結婚式をアットホームな気分でゲストに過ごしてもらうためには、披露宴会場を『ふたりのマイホーム』と位置付けます。

会場入りするゲストを新郎新婦おふたりがエントランスでゲストをお出迎え。

「我が家にゲストを招き入れる」

こんなイメージを持って新郎新婦さまからゲストへウェルカムドリンクを配りながら、

「今日は来てくれてありがとう」

「挙式緊張してたね!」

などゲストとの会話を楽しみつつ、みんなの挙式後の緊張感を解きほぐします。

新郎新婦入場はあえてしない

新郎新婦入場

アットホームな空間作りなら入場シーンも工夫します。
結婚式といえば必ず行われる『新郎新婦入場』ですが、アットホームウエディングなら敢えておこないません。

お出迎えを終えゲスト全員を披露宴会場に招き入れたら最後に新郎新婦も会場内へ。
「新郎新婦入場です!」という司会者のアナウンスのもと華々しく入場するのではなく、自然にゲストと一緒に会場の中に入り、メイン席へと移動します。

ゲストの中には、

「あれ?普通…ふたりで入場してくるものじゃないの?」

と思われる方もおられるかもしれません。
そんな疑問を解消するために、メイン席へ付いたら早速マイクを手に取って『ウェルカムスピーチ』へ続きます。

ウェルカムスピーチで気持ちを伝える

マイク

披露宴の第一声は、主役であるふたりからのウェルカムスピーチ。
通常の結婚式なら、まず司会者から新郎新婦のプロフィール紹介があったり、主賓の方々からご祝辞をいただきます。

ですが、まずは新郎新婦さまからゲストのみなさまへウェルカムスピーチをし、この披露宴の主旨をゲストのみなさまに伝えます。

  1. 今日お越しくださったことのお礼
  2. 挙式を挙げることができたご報告
  3. 披露宴の主旨
  4. ゆっくり過ごしていただくために、お料理にこだわった
  5. 改めて今日のお礼で締め

このように披露宴の冒頭で新郎新婦おふたりの気持ちを伝えます。
ゲストの理解も得られ、その心づもりでこれからはじまる披露宴をもっと楽しみにしていただけますよ。

披露宴の主旨のポイント!結婚式を挙げることができるのは、ゲスト皆様のおかげであること、今日の結婚式は自分たちのお披露目だけではなく、みなさまに日頃の感謝をカタチに変えて伝える場にしたいから、あえて入場シーンを作らなかったことを伝えましょう。

ワクワクする料理メニュー表の工夫

料理メニュー

ゲストが期待する料理は、メニュー表もひと工夫つけ加えます。
通常、メニュー表には、単に料理メニューの名前がずらりと並べられていますよね。

もちろん、このメニューを見るだけでもこれから提供されるお料理をとても楽しみにしてくださるはず。
ですが、さらにお料理に興味を持っていただくために、メニュー内容に一部コメントを添えてみてください。

例えば、

  • スープなら…
    新郎の出身地である北海道産のジャガイモを使ったポタージュスープです。冷製スープになっているので、あっさりとお召し上がりいただけます。
  • メイン料理なら…
    私たちだけではなく両親も試食し、みんながイチオシだと思ったメニューです。

など一言添えるだけでも、ただ並んでいるメニュー名に“味”が加えられ、これから出てくるお料理にもっと期待を持ってお待ちいただけます

シェフの手を借りる

シェフ

ゲストにお料理を楽しんでいただくために『シェフの料理説明』がおすすめです。

披露宴の冒頭、シェフに出てきていただきお料理の説明をしていただきます。
お料理の内容を深く知るだけではなく「この人がお料理を作ってくれてるんだ」とわかるだけで、ゲストの安心感も得られます。写真付きで生産者がわかるスーパーの野菜に似ているかもしれません。

豪勢な料理

お料理にこだわる=高いコース料理だけが、おもてなしではありません。

お料理をゲストにどう楽しんでいただくか?
この環境作りがゲストの満足度にも直結するのだと思います。

ちなみに、シェフの料理説明を演出をすると披露宴終了後ゲストから「シェフに会いたいんだけど…」とお呼び出しがよくあります。

「シェフの作った料理、最高だったよ!とくに○○が!」

と感想を言ってくださる方がたくさんおられました。

演出はポイントをおさえて最小限に

フラワーサーブ

ゲストにゆっくりお料理を楽しんでいただくために演出は最小限にします。
しかし、あまりにも控え過ぎてしまうと間延びの心配があるため、ポイントを押さえて演出を取り入れます。

例えば、ウエディングケーキ入刀は、結婚式に華やかさを添えてくれて、所要時間も短いことからおすすめの演出です。

ケーキ入刀

フルーツをふんだんに使うウエディングケーキもおすすめですが、食べられるお花の『エディブルフラワー』を使うウエディングケーキは色鮮やかでゲストの目を惹き付けます。

演出の数は少なくても、華やかさやインパクトを重視した演出をポイントで入れてみてください。

スピーチは誰にもお願いしない

乾杯挨拶

結婚式のスピーチは、頼まれるとゲストとしては光栄な反面、何日も前から話す内容を考えたり、結婚式当日も緊張感で食事をゆっくり楽しめないなど負担を掛けてしまう側面もあります。

そんな負担を与えず、ゲストからメッセージをもらうなら…
おすすめの方法は司会者からゲストにインタビューをしていただくという方法です。

誰に何をインタビューするのかは、事前に打ち合わせで確認。
また、ゲストには事前に伝えずサプライズにしておけば、余計な緊張感を与えることはありません。

ゲスト

司会者がインタビュー形式で会話しながら話を引き出してくれるので、通常のスピーチに比べゲストへの負担を減らすこともできます。

インタビューを入れるタイミングは、披露宴中盤から後半がおすすめ!
歓談や美味しいお料理、そしてお酒もすすんでおり、ゲストの緊張感も溶けて、肩の力も抜け楽しく話せるゲストも多いはずです。

映像演出はゲスト参加型で楽しむ

エンドロールムービー

映像演出といえば結婚式の定番演出。
プロフィールムービーを作成して、生い立ちやふたりの思い出などを取り込み、オープニングムービに使用することもありますね。

このプロフィールムービーをゲストにもっと興味をもっていただくためには、ゲストも思わず見入ってしまうような写真をチョイス!

例えば、生い立ちを紹介するなら、自分たちのルーツとしてご両親の結婚式の写真を使ってみてください。

昔の写真

ご両親に内緒で用意できるならサプライズになりますよ。
また、小さい頃の写真は必ずご兄弟も一緒に写っている写真を選び、学生時代の写真はもちろんゲストの中にいるメンバーが写っている写真を映像に。

懐かしく照れくさくなるようなシーンもあるかもしれませんが、それも含めてこれまでのみんなの思い出。

「皆んなのおかげで今日の日を迎えることができました」

最後に映像に込めたメッセージを加えて、感謝の気持ちを映像でも表すると感動します。

各テーブルには空席をひとつ

ゲストテーブル

新郎新婦さまがゲストと話すには環境作りも必要
そこで、ご提案するのは、各テーブルに1席ずつ空席を準備するプランです。

新郎新婦おふたりは、食事歓談中にゲストの元へ。
ゲストテーブルに用意した空席に座り、ゲストと一緒に食事を楽しんでみてはいかがでしょうか?

「新郎新婦は、結婚式のときほとんどお料理を食べられないらしい」

これは本当の話です。
ゲストがたくさん新郎新婦のもとに挨拶に来てくださったり、演出がありゆっくり味わっている時間はありません。

ですが、食事の時間を多く取ることでゲストと共にゆっくりとお食事を楽しむ時間が確保できます。
しかもゲストと同じテーブルで食事を楽しめるとなれば、親族なら子供のころを、友達なら学生時代を思い出し、きっと会話も盛上がるはずです。

結婚式に欠かせない演出

新婦と新婦母

“アットホームな結婚式にするために”と演出をできるだけ少なくし、歓談中心の披露宴にするとしても、やはり「これだけは残して欲しい」と思う演出があります。

それは披露宴のクライマックスでもある『花嫁の手紙』『ご両家代表謝辞』『新郎謝辞』です。

「アットホームな雰囲気で笑顔のまま終わりたいから、花嫁の手紙はやめておきます」

こんなプレ花嫁さまも多くおられました。
ですが、数多く結婚式に出席されたご両親は、やはり最後のお手紙は期待されている方も多いです。

花嫁の手紙で涙する方も多くいますが、この幸せの涙。
是非、親孝行だと思って、演出に取り入れてみてください。

そして、ケジメとしてのゲストのみなさまへの謝辞。
アットホームで和やかな雰囲気を作れたからこそ、最後はフォーマルに締めることで披露宴全体にメリハリがつきます。

まとめ

アットホームな雰囲気の結婚式を作るためのポイントと、演出プランをご紹介させていただきました。

楽しいときには皆んなで思いきり笑って、たくさんお話をして、ときに感動で涙…。
笑顔と涙に満ちあふれた結婚式は、きっと新郎新婦おふたりやご家族だけではなく、ゲストにとっても忘れられない結婚式になるはずです。

この記事を読んでくださったみなさまの結婚式が、人生最高の思い出になりますように。