結婚式の席次表の役割は大きく2つあります。
- 披露宴中ゲストが座る場所を案内すること
- ゲスト全員に紹介すること
ゲスト全員に紹介するときに大切なのが『ゲストの肩書き』です。
今回は、席次表の肩書きや敬称のマナーを解説するとともに、肩書きを決めるときの疑問をQ&Aでまとめました。
また、席次表の肩書き欄を使うオリジナルなアレンジ法も伝授します。席次表を見たゲストが思わす笑顔をこぼすようなミニサプライズを取り入れてみませんか?
席次表の肩書きの基本ルール
席次表の肩書きは、
- 新郎新婦さまとゲストの関係性
- ゲストの社会的地位
をゲスト全員に伝える役割があります。
どこに、どんなゲストが座っていて、新郎新婦さまが普段どんな方とお付き合いがあるのかをゲストへ紹介する役割をもっています。
肩書きに書くべきこと
肩書きは”新郎新婦さまとの間柄”と”社会的な肩書き”を書きます。
一目で新郎新婦のどちらの関係者で、どんな関係であるかがわかるように書くのがポイントです。
<新郎ゲストの肩書き例>
新郎との関係 | 肩書きの記載方法 |
---|---|
父 | 新郎父 |
会社の同僚 | 新郎会社同僚 |
高校の友人 | 新郎高校友人 |
悩みがちなのが『会社の上司』です。
上司は、会社名と役職を記載するパターンと略すパターンがあります。
- 会社名+役職パターン
株式会社カラーズ ANCIE事業部 部長 - 省略パターン
新郎会社上司
基本は省略なしがおすすめですが、
- 社内結婚で新郎新婦さまが同じ会社
- 部署名や役職が長くて書ききれない
などのときは略しても問題ありません。
ただし、社会的に地位の高い主賓ゲストは省略せずに書くのが一般的です。
絶対厳守!肩書きは両家で統一する
席次表の肩書きで必ず守るべきことは両家で統一することです。
例えば、上司の肩書きを、
- 新郎側
株式会社カラーズ ANCIE事業部 部長 - 新婦側
新婦上司
など新郎新婦さまで書き方が違うのはNG!
必ず両家で統一することが絶対に守るべきマナーです。
また、親戚の肩書きは両親へ相談を!
親戚の場合、伯父や伯母など3親等までは表記し、それ以上遠い親戚は『新婦親戚』と記載することがあります。実は肩書きに厳密なルールはなく、何よりも大切にするべきこと両家で揃えることです。
席次表の肩書き一覧
以下では、ゲスト別に肩書きの具体例を紹介します。
会社関係のゲスト
会社関係の基本は名刺に記載されている役職名を書きます。
- 社長
株式会社◯◯ 代表取締役社長 - 上司
株式会社◯◯ △△部 部長
新郎(新婦)会社上司 - 先輩
株式会社◯◯ △△部 マネージャー
新郎(新婦)会社先輩 - 同僚
新郎(新婦)会社同僚
新郎(新婦)会社同期 - 後輩
新郎(新婦)会社同僚
なお、会社関係ゲストの敬称は全て『様』で統一します。
会社関係ゲストの肩書きQ&A
- Q.法人格を(株)や(有)と略してもいいの?
- A.法人格を略すのはマナー違反です。必ず株式会社や有限会社と表記します。
- Q.一般的な会社ではない職場のときはどうするの?
- A.勤務先が病院や役所などの場合は『職場』と記載します。
- Q.複数の肩書きがあるゲストは、どれを書けばいいの?
- A.肩書きの中で最上級の役職名を記載します。同じ部署の直属の上司なら、所属する部署の役職でもOKです。
- Q.部下は『後輩』でもいいの?
- A.部下や後輩の肩書きは『同僚』です。後輩は“上から目線”の印象を与えるため時間をつくって結婚式に参加する方に対して失礼にあたります。
- Q.役職名がすごく長い!全て書くべき?
- A.本来は全て記載するのがマナーですが、肩書きの長さは3行ぐらいまでが目安。4行以上なら『会社上司』や相手に相談した上で部分的に省略を。ただし、主賓クラスのゲストは、できる限り会社名と役職を書くことおすすめします。
- Q.部長・課長・係長・主任など、どこまでの役職をつければいいの?
- A.同じ職場で結婚式をした方に相談するのがおすすめです。パターンでいうと役職のある全ゲストに正式な肩書きを書くパターンと、最も職位の高いゲストだけ表記するパターンがあります。
- Q.ゲストが転職してるときにはどう書く?
- A.ゲストの転職や新郎新婦さまが退職し元会社の人がゲストの場合には、『新婦元会社上司』や『新婦元会社同僚』など”元”をつけます。
恩師のゲスト
恩師の肩書きは3パータンです。
- 新郎(新婦)恩師
- 新郎(新婦)高校時代恩師
- 私立◯◯大学教授 新郎(新婦)恩師
最も多いのは[2]の“いつ”の恩師なのかを記載するパターン。
敬称は、『様』もしくは『先生』です。
恩師ゲストの肩書きQ&A
- Q.大学の恩師を主賓としてご夫婦で招待します。奥様の肩書きはどうなるのでしょうか?
- A.同令夫人または◯◯様令夫人と記載します。
友人ゲスト
友人の肩書きは、さまざまなパターンがあります。
- 新郎(新婦)高校時代友人
- 新郎(新婦)友人
- 新郎ゴルフサークル仲間
最も多いのは[1]の”いつからの友人なのか?”を記載するパターン。上記の他にも、
- 新郎(新婦)幼馴染
- 新郎野球チームメイト
- 新婦留学時代友人
など友人ゲストなら、あなたとの間柄をわかりやすくすると、新郎新婦さま自身の日常を垣間みることができます。
なお、友人ゲストの敬称は全て『様』で統一します。
友人ゲストの肩書きQ&A
- Q.新郎新婦ふたりの共通の友人の場合はどう書くの?
- A.新郎新婦を表記した後に間柄を記載します。例えば、『新郎新婦高校時代友人』と書きます。
家族や親族ゲスト
非常に複雑に感じると思いますが、落ち着いて一人ひとり確認すれば理解できます。
- 父母:新郎父/新郎母
- 兄または姉:新郎兄/新郎姉
- 弟または妹:新郎弟/新郎妹
- 兄(姉)の配偶者:新郎義兄/新郎義姉
- 弟(妹)の配偶者:新郎義弟/新郎義妹
- 兄弟・姉妹の息子:新郎甥
- 兄弟・姉妹の娘:新郎姪
- 祖父母:新郎祖父/新郎祖母
- 父母の兄姉:新郎伯父/新郎伯母
- 父母の弟妹:新郎叔父/新郎叔母
- (新郎新婦さまより年上の)いとこ・配偶者:新郎従兄/新郎従姉
- (新郎新婦さまより年下の)いとこ・配偶者:新郎従弟/新郎従妹
※新婦の場合は、新郎を新婦へ置き換えるだけです
注意したいのが『叔父(おじ)』や『伯父(おじ)』のような読み方は同じでも、漢字は異なる点です。特に手作りをするときはダブルチェックをして誤記のないようにしましょう。
家族の敬称について
- 両親(父母)
- (未婚の)兄弟姉妹
- 祖父母
は基本的に敬称はつけません。
ただし、結婚をしている兄弟姉妹には敬称をつけるか否かは対応がさまざまです。
- 結婚しているけど、姓は変わっていない場合は、敬称をつけない
- 結婚して姓が変わっている場合は、敬称をつける
としている式場やご親族もあり決まったマナーがありません。
そのため両家の表記ルールを統一することに加えて、両家両親に相談し判断しましょう。
- Q.お兄ちゃんの奥さん、私より年下なんだけど…
- A.配偶者の年齢にかかわらず実の兄弟姉妹との関係が基準になります。兄のお兄さんの奥さんが自身より年下でも義姉、反対に弟さんの奥さんが自身より年上でも義妹です。
- Q.同じ歳のいとこはどう表記するの?
- A.同じ年齢のいとこの場合には、誕生日で判断します。
- Q.弟の婚約者の場合はなんて表記するもの?
- A.婚約段階で結婚式にゲストとして出席するなら『新郎弟婚約者』です。敬称は、一般的に「家族同然だから」とし敬称を略すことが多いです。
配偶者やお子さまゲスト
主賓や友人などがご主人や奥様を伴って出席される場合は、以下のように肩書きを表示します。
配偶者の場合
- ご主人:同御夫君または◯◯様御夫君
- 奥様:同令夫人または◯◯様令夫人
上記は堅苦しい印象を与えるため友人関係の配偶者には新郎友人と記載することもあります。主賓クラスのゲストの場合は、上記の肩書きが望ましいです。
お子さまの場合
- 同お子様または◯◯様お子様
- 男の子の場合:「同御子息または◯◯様御子息
- 女の子の場合:同御令嬢または◯◯様御令嬢
と記載します。
またお子さまゲストの敬称については、
- 未就学のお子さま:◯◯くん/◯◯ちゃん
- 就学後のお子さま:◯◯様
以上のように使い分けることが一般的です。
席次表の肩書きアレンジ法
結婚式の席次表は必ずしも肩書きを入れるわけでなかう、以下のような場合には、席次表に肩書きなしでもOKです。
- 新郎側と新婦側のゲスト数に差がある
- 友人中心の結婚式
- 1.5次会のようなカジュアルな結婚式
ただし、本来は席次表に肩書きはいれるもの。そのため肩書きなしは、両家両親に承諾を得ることが大切です。
席次表の肩書きは、本来なら会社名や役職などを記載するきっちりスタイルが一般的。
しかし、席次表の肩書きを表記する部分に、ゲストの紹介文を書くアレンジもあります。
「カジュアルな結婚式にしたいから、堅苦しさはなしにしたい」
「ゲスト全員に結婚式を楽しんでもらいたい」
そんなカップルにおすすめの方法です。
ゲストの紹介コメントを入れることで、おふたりのユーモアとゲストへの思いが伝わります。
ポイントは、一言コメントの紹介でまとめること。
- 会社の先輩:頼りになる我らがリーダー
- 友人:料理の腕前はプロ級!
- 伯父:元漁師さん!魚の目利きはピカイチ
- 姉:悩める時の相談相手!
席次表の紹介コメントは簡潔に20文字以内が目安です。
ただし、カジュアルになるため、どんなゲストが多いかで判断すると共に両家両親への確認も必須です。
まとめ
- 席次表の肩書きは、新郎新婦とゲストとの間柄やゲストの社会的地位を紹介する
- 肩書きには、会社名や役職を略さずに記載するのがマナー
- 肩書きの表記は、両家で揃えることが重要
- 席次表の肩書き表記は必ず入れるものではなく、両家にゲスト数の差があったりカジュアルな結婚式の場合は入れなくてもOK
席次表は、ゲストの座る席を案内するだけではなく、ゲストをみなさまに紹介するツールでもあります。そのため、肩書きや名前の間違いは厳禁!
新郎新婦さまふたりだけではなく、ご両親にも確認をしていただきながら間違いを防ぎましょう。